そのページは本当に「成果」に貢献しているか?サイト内分析で解き明かすユーザーの行動心理

1.はじめに
前回は、媒体ごとのコスト効率を正しく評価し、予算配分を最適化する手法を学びました。しかし、広告で効率的にユーザーを連れてきたとしても、その「受け皿」となるWebサイトが機能していなければ、最終的な成果には繋がりません。
本記事では、広告という「点」の評価から一歩踏み込み、サイト流入後のユーザーの動きを「線」で捉える「サイト内分析」について解説します。ユーザーがどのページに滞在し、どこで離脱しているのか。その実態を明らかにしていきましょう。
1-1.この学習でのゴール
- サイト内分析(ページ別・経路・期間)の各画面の役割と、主要な指標の見方を理解する。
- アドエビス独自の指標「CV貢献度」を活用し、直接CV以外の「アシストページ」を特定できるようになる。
- サイト内のボトルネック(離脱ポイント)を見つけ、具体的な改善アクションに繋げられるようになる。
1-2.こんな方にオススメ
- 広告のCPAは良いが、サイト全体のコンバージョン率(CVR)が伸び悩んでいる方
- ランディングページやサイト改修の優先順位をデータに基づいて決めたい方
- コラムや記事コンテンツが、最終的なコンバージョンにどれほど寄与しているか可視化したい方
2.サイト内分析の活用と画面仕様
アドエビスの「サイト内分析」は、大きく分けて「ページ別分析」「経路分析」「期間分析」の3つの視点で構成されています。

| 分析画面 | 概要 | できること |
|---|---|---|
| ページ別分析 | ページ別(ディレクトリ別)の閲覧状況を確認可能 | ・PVなどサイト分析の基本的な指標を各ページごとに確認可能 ・閲覧頻度の多いページに改善のリソースを強化・不要なページの排除 ・離脱の原因となっているページを確認して改善にリソースを割くことが可能 |
| 経路分析 | ユーザーがサイト内でどのような導線をたどるのかを確認できる画面 | ・ユーザーがコンバージョンしやすい黄金ルートが分かる ・流入施策の違いによって、ユーザーのサイト内行動に変化が出るのかを確認可能 ・上記の要因分析をし、施策の横展開をしたり、サイト内動線やLPのリンク先を工夫することが可能 |
| 期間分析 | 期間別でのサイトの閲覧状況を確認可能 | ・時期の違いによる顧客の態度変容を確認 ・日単位でのPV数の増加率などを確認 ・ユーザー行動の傾向を分析し、施策全体の改善に活用したり、目標の進捗具合を追いかけるために利用 |
2-1.各ページの「役割」を定量化する
「ページ別分析」画面では、ページ単位でPV(閲覧数)やSU(セッション数)、そしてコンバージョンへの貢献度を確認できます。
注目すべき独自指標「CV貢献度」
サイト内分析において最も重要な指標が「CV貢献度」です。

通常、コンバージョンは「コンバージョンタグを設置したページ」に紐付きますが、アドエビスのCV貢献度は「同一セッション内で、コンバージョンに至るまでに閲覧された全てのページ」に対して1CVずつ計上されます。
CV貢献度: そのページを通ったセッションで、後にコンバージョンが発生した数
例えば、「ページA → ページB → コンバージョン」という遷移でコンバージョンが発生した場合、「ページA」「ページB」にも「CV貢献度:1」が付きます。これにより、「直接コンバージョンは生まないが、ユーザーの検討を後押ししている重要なページ」を特定できます。
指標の見方と仕様上の注意点
| 指標 | 内容・注意点 |
|---|---|
| PV数 | ページビューの略で、対象ページを見られた回数です。 |
| SU | セッションユーザーの略で、対象ページへの訪問者数です。 |
| UU数 | ユニークユーザーの略で、対象ページへの流入者数です。 |
| 流入数 | セッションの中で最初に見られた回数です。 |
| 離脱率 | セッションの中で最後に見られた回数です。 |
| 直帰率 | 流入後、他のページを見ずにサイトを離れた割合(直帰数÷流入数)。「受け皿」としての機能を評価します。 |

| 番号 | 機能 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 共通機能 | 期間設定やデータのダウンロードができます。 詳しく知りたい方はこちらをご確認ください。 |
| 2 | 分析画面 | 「ページID」「ディレクトリ」「デバイス」の3種類を選択して、必要に応じて集計軸を組み合わせてデータを確認できます。 (例) 「ページID」を選択すると「ページタイトル」「ページURL」など集計軸を組み合わせることができます。 |
2-2.ユーザーの「勝ちパターン」と「離脱」を可視化する
「経路分析」画面では、ユーザーがサイト内をどのような順番で回遊しているかを視覚的に把握できます。

- 始点・経由・終点の分析
特定のランディングページから流入したユーザーが、次にどのページを見ているか? 理想の導線(例:LP → 事例 → フォーム)に乗っているかを確認します。 - 離脱ポイントの特定
多くのユーザーが共通して離脱している経路を見つけ出し、サイト改善の優先順位を決定します。
2-3.時期や時間帯による「熱量」の変化を掴む
サイトの閲覧状況を「日・月・曜日・時間帯」別に確認できます。
キャンペーン開始後の反応や、BtoBビジネスにおける平日・休日の行動特性の差など、時期要因によるユーザーの態度変容を分析する際に活用します。

サイト内分析の利用制限と仕様
実際に活用する際、「データが表示されない」と焦らないために、以下の仕様を必ず押さえておきましょう。
- プラン制限
「エージェンシー」「ライト」プランではサイト内分析は利用できません。 - 権限設定
「閲覧(全トラフィック)」の権限付与が必要です。 - 計測上限
計測サイトの登録ページ数が上限80,000件を超えると、それ以降の新規ページは「#0:上限超過」として一括計上されます。不要なページの削除など、定期的な整理を推奨します。
3.PDCA活用シーン
サイト内分析のデータを使って、具体的にどのように施策を改善するか、2つのケースを紹介します。
コンテンツマーケティングの「価値」を証明する
「事例紹介コラム」や「お役立ち記事」は、コンバージョンポイントとして設定することは少なく、興味度上げとして作成されていることが多いかと思います。
- 分析手法
ページ別分析でコラム記事の「CV貢献度」を確認します。 - 判断基準
直接コンバージョンはゼロでも、CV貢献度が高いページは「検討度を高める重要コンテンツ」と評価できます。 - アクション
その記事への流入経路を増やす(SNSやメルマガでの露出強化)、あるいは記事内にフォームへの導線を設置して、次のステップへ誘導しやすくします。
広告流入LPの「直帰率」を改善する
特定のキーワードで流入させているランディングページの成果が悪い場合、ランディングページ分析で「直帰率」の数値を確認します。
ランディングページ分析画面では、ランディングページドメインやランディングページURLごとに評価ができます。

- 判断基準
直帰率が高い = 「広告の訴求」と「ページのコンテンツ」に乖離がある。 - アクション
ページ上部(ファーストビュー)のキャッチコピーを広告バナーの文言に合わせる、または離脱の多いデバイスに合わせたレイアウト修正を行います。
4.おわりに
サイト内分析やランディングページ分析を活用することで、広告が連れてきたユーザーがサイトの中でどのように「興味を持ち」、あるいは「迷っている」のかが見えてきます。
広告の改善(集客)とサイトの改善(接客)は、マーケティングにおける両輪です。今回学んだ「CV貢献度」や「経路分析」を駆使して、点ではなく線でユーザーを捉え、サイト全体のパフォーマンスを最大化させていきましょう。
次回は、より高度な評価手法である「再配分CVと間接効果の使い分け」について詳しく解説します。広告評価の精度をさらに一段階引き上げていきましょう。





