広告の「隠れた貢献」を可視化する!直接効果・間接効果・初回接触の使い分け方

1.はじめに

前回は「ITP対応プログラム」や「NS/CNAMEリダイレクト」を設定し、Cookie規制に左右されない高精度な計測環境を整えました。土台が整った今、次に行うべきは「蓄積されたデータをどう評価するか」を決めることです。

「媒体管理画面の数値だけでは、どの広告が本当に効いているのかわからない」という悩みは、多くのアドエビスユーザーが最初に直面する壁です。本記事では、ユーザーがコンバージョンに至るまでの「経路」を正しく評価するための3つの重要指標について解説します。

1-1.この学習でのゴール

  • 「直接効果」「間接効果」「初回接触」の違いを正しく理解する。
  • 各広告の「役割」を指標から判断できるようになる。
  • 媒体管理画面とアドエビスで、なぜコンバージョン数が異なるのかを説明できる。

1-2.こんな方にオススメ

  • リスティング広告とSNS広告など、複数媒体を出稿している方。
  • リターゲティング広告など刈り取り施策以外の「認知施策」の正当な評価に困っている方。
  • CPA(獲得単価)だけで判断して、有効な広告を止めてしまわないか不安な方。

2.3つの指標でユーザーの「足跡」を捉える

ユーザーが初めてサイトを訪れてからコンバージョンに至るまで、複数の広告に接触することは珍しくありません。アドエビスでは、この一連の流れ(コンバージョンフロー)を以下の3つの視点で切り分けて評価します。

1.直接効果(ラストクリック)

コンバージョンの直前に接触した「最後の一押し」となった広告です。

多くの媒体管理画面で標準的に採用されている評価指標です。今すぐユーザーを確実にコンバージョンへ導く「刈り取り」の力を示します。

2.間接効果(アシスト)

初回と最後を除いた、検討を促した「中間接触」の広告です。

アドエビスでは、接触順位に応じて「間接効果2~5」「間接効果6~10」のように細かく確認することも可能です。ユーザーの熱量を高め、比較検討を支えた「縁の下の力持ち」と言えます。

3.初回接触(ファーストクリック)

ユーザーがサイトに流入する「最初のきっかけ」を作った広告です。

自社を知らない層を呼び込む「認知獲得」の力を示します。

指標名役割のイメージ評価のポイント
初回接触呼び込み・きっかけ新規ユーザーを連れてくる力
間接効果育成・アシスト離脱を防ぎ、検討を維持させる力
直接効果
(コンバージョン)
刈り取り・最後の一押しコンバージョンを確定させる力

3.なぜアドエビスで見ると「媒体数値」とズレるのか?

「媒体の管理画面を合計すると150コンバージョンあるのに、アドエビスで見ると100コンバージョンしかない……」という現象がよく起こります。これは、「成果の重複」をアドエビスが排除しているからです。

媒体管理画面の場合(重複あり)

例えば、あるユーザーが「Google広告」をクリックし、その後「Facebook広告」をクリックしてコンバージョンしたとします。この場合、GoogleもFacebookもそれぞれの貢献でコンバージョンしたとカウントされるため、合計で「2コンバージョン」としてカウントされてしまいます。

アドエビスの場合(重複なし)

アドエビスは媒体を横断して1人のユーザーを追いかけます。上記のケースでは、最後にクリックされたFacebook広告に「直接効果」を付与し、LINEヤフー広告には「間接効果2」Google広告には「初回接触」を付与します。全体のコンバージョン数は正しく「1コンバージョン」として集計されるため、予算配分の判断を誤ることがありません。

4.指標の組み合わせで見る「広告の性格診断」

データを見る際は、単体の数値だけでなく「比率」に注目しましょう。アドエビスには、広告の性格を一目で判断するための「直間比率」という項目があります。

  • 直間比率(直接)が高い広告
    特徴:コンバージョンに直結しやすい。リスティングの指名キーワードやリターゲティング広告に多い。
    判断:効率(CPA)を重視して運用すべき「獲得施策」。
  • 直間比率(間接)が高い広告
    特徴:コンバージョンのきっかけやアシストに回っている。SNS広告やディスプレイ広告に多い
    判断:単体のCPAが悪くても、止めた瞬間に「全体のCV」が減る可能性がある「アシスト施策」。

5.PDCA活用シーン

現場でよくある「リスティング広告(一般ワード)のCPAが高騰している」というシーンを例に考えてみましょう。

「直接効果」だけを見る場合

「目標CPAを超えているから、この広告は停止、または予算を下げよう」と判断しがちです。

「初回接触」と「間接効果」もチェックする場合

もし、その広告が「初回接触数」で全施策中No.1だったとしたらどうでしょうか?

その広告を止めてしまうと、サイトに来る新規ユーザーの入り口が閉ざされます。結果として、後続の「指名検索」や「リターゲティング広告」に流れるユーザーがいなくなり、数週間後に全体のCV数が先細りするというリスクが見えてきます。

判断基準
  • 直接CPAが悪くても、初回接触数間接効果がしっかり出ているなら、それは「認知・集客用」として予算を維持する。
  • すべての指標において成果が低ければ、クリエイティブの変更や停止を検討する。

6.おわりに

「直接効果」「間接効果」「初回接触」の3つを使い分けることで、点ではなく「線」で広告を評価できるようになります。まずは管理画面で、普段CPAが悪いと思っている広告の「初回接触」や「間接効果」を確認してみてください。意外な貢献が見つかるはずです。

しかし、評価をさらに精緻化しようとすると、「初回と直接、どちらに何割の価値を置くべきか?」という悩みが出てきます。次回のカリキュラムでは、この貢献度をシステムが自動で計算してくれる「再配分CV」と、それを用いた高度な投資判断指標「TCPA」「TROAS」について詳しく解説します。

関連記事をみる