計測精度を高めるもう一つのITP対策!NS/CNAMEリダイレクトで計測欠損を防ぐ方法

1.はじめに

前回まででは、ITP対策の推奨である「ITP対応プログラム」の設置について解説しました。
しかし、「ITP対応プログラム」の推奨環境に合致しない場合など、プログラムの設置が物理的に難しいケースもあります。

本記事では、そのような環境でもITP対応プログラム設置と同等の高精度な計測を実現できる「NS/CNAMEリダイレクト計測」について解説します。

1-1.この学習でのゴール

  • NS/CNAMEリダイレクト計測が「なぜITP対策になるのか」という仕組みを理解する。
  • 「ITP対応プログラム」と「NS/CNAMEリダイレクト」のどちらを導入すべきか判断できるようになる。
  • 設定時の注意点(リスク管理)を把握し、安全に導入を開始できる。

1-2.こんな方にオススメ

  • ITP対応プログラムの推奨環境に合わないがITP対策をしたい方
  • 広告のクリックからコンバージョンまでが、長期間(8日以上)にわたる商材を扱っている。
  • タグマネージャー経由の計測でも、ITPの影響を最小限に抑えたい。

2.NS/CNAMEリダイレクト計測の仕組み

2-1.なぜ「DNSの設定」でCookieが守られるのか

通常のリダイレクト計測では、アドエビスのドメイン(ac.ebis.ne.jp)を経由してCookieを付与します。サイトを訪問しているユーザーから見れば、別ドメインのCookie(3rd Party Cookie)となるため、ITPによって即座にブロックされてしまいます。

一方、NS/CNAMEリダイレクト計測では、DNSの設定によって「アドエビスの計測用サーバー」を「自社ドメインのサブドメイン(例:ns.example.co.jp)」として動作させます。

通常リダイレクト(別ドメインからの付与) vs NS/CNAMEリダイレクト(自社サブドメインからの付与)の比較図

自社のドメインから発行されたCookieは、ブラウザから「1st Party Cookie」として扱われます。
これにより、前章で学んだITP対応プログラムと同様に、Cookieの保持期間を「無制限(366日間)」に延ばすことが可能になるのです。

2-2.NS方式とCNAME方式の違い

設定時には「NS」または「CNAME」のいずれかを選択します。
どちらを選んでも計測精度に差はありませんが、自社のインフラ環境に合わせて選択します。

方式概要選び方の目安
NS方式サブドメインの管理権限をアドエビスに委譲する方式。最も推奨される方式。
DNS設定が柔軟な場合に適しています。
CNAME方式特定のドメイン名に「別名」をつける方式。NSの設定変更が技術的に制限されている場合に選択します。

3.実装方式決定フローチャート

自社サーバーにPHPやJavaなどのプログラムを設置できるか?

  • YES → 【推奨】ITP対応プログラム(ダイレクト計測)
    <理由>
    広告流入だけでなく、自然検索やSNSなど「すべての流入」に対してCookieを長く保持できるため、最もデータが正確になります。
  • NO→ 質問2へ

DNSレコード(NS/CNAME)の追加設定が可能か?

  • YES → NS/CNAMEリダイレクト計測
    <理由>
    プログラム不要で、広告流入に関してはITP対応プログラムと同等の精度を確保できます。
  • NO → 通常計測(デフォルト設定)
    <理由>
    Cookie保持は最大7日間に制限されますが、まずはここから計測を開始します。

3-1.≪注意点≫ 導入時の「安全策」:疎通エラーへの備え

NS/CNAMEリダイレクトはITP対策ができる重要な手法ですが、
DNS設定に不備があると、広告をクリックしてもサイトが表示されない(遷移障害)というリスクを伴います。

  • 管理画面でのアラートの確認
    アドエビスには、DNSとの疎通エラーを検知した際に管理画面にてアラートが出るようになっています。
    万が一の際に広告を止める、または設定を差し戻す判断ができるよう常に管理画面のアラートはご確認ください。

4.おわりに

NS/CNAMEリダイレクト計測は、技術的な制約が多い環境において「正確な意思決定」を支えるための重要な機能です。まずは自社のインフラ担当者に「DNSレコードの追加が可能か」を確認することから始めてみましょう。

この「高度な計測設定」を終えることで、ようやく「期間を跨いだユーザーの行動」が1本の線でつながるようになります。

次回は、こうして蓄積された正確なデータをどう読み解くか、アドエビス分析の真骨頂重要指標である「直接効果・間接効果・初回接触」の定義と活用方法について詳しく解説します。

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