コンバージョンの「数」ではなく「質」を読み解く!「属性情報」がマーケティングを変える理由

1.はじめに

前回までは、広告をクリックしたユーザーを正しくサイトへ導き、計測を開始するための準備を整えました。これで「どの広告から何件のコンバージョンが発生したか」という「数」の計測ができるようになっています。

本記事からは、さらに一歩踏み込んだ「高度なタグ設定」の章に入ります。まず初めに理解しておきたいのが、コンバージョンの中身を可視化する「属性情報」という概念です。これを活用することで、アドエビスでの分析は「効率(CPA)」の追求から「利益(ROI)」の最大化へと進化します。

1-1.この学習でのゴール

  • 「属性情報」の定義と、取得できるデータの種類を理解する
  • 属性情報を活用することで、どのようなマーケティング判断が可能になるか把握する
  • データ取得のために必要な「サイト側の準備(変数)」について理解する

1-2.こんな方にオススメ

  • コンバージョン数だけでなく「どんなユーザーが、いくら購入したか」まで分析したい方
  • 獲得効率(CPA)は良いが、実はターゲット外のユーザーばかりで悩んでいる方
  • アドエビスの管理画面にある「項目1〜5」という項目の使い道を知りたい方

2.属性情報の設定

2-1.属性情報とは「コンバージョンユーザーの付帯情報」

アドエビスにおける「属性情報」とは、サイト側が保有しているコンバージョンしたユーザーに紐づく詳細なデータを指します。

通常の設定では、誰が購入しても「1CV」としてしかカウントされませんが、属性情報を取得することで、以下のような情報をアドエビスのレポートに反映させることができます。

  • 購入データ: 売上金額、注文番号、購入商品名、個数
  • ユーザーデータ: 会員ID、性別、年代、居住地域、職業
  • リードデータ: 資料請求の種類、BtoBの業種、年収レンジ(アンケート回答)

※あくまで、サイト側で変数として保持している情報をアドエビス側に転送しているイメージとなります。
 サイト側で取得・保持していない情報については取得できません。

2-2.自由度の高い5つの拡張枠「項目1〜5」

アドエビスには、これらの属性情報を格納するために「売上金額」「ユーザー名」などの専用の項目のほかに、「項目1〜項目5」という5つの自由な項目が用意されています。

「項目1には性別、項目2には既存/新規のフラグを入れる」といったように、貴社のビジネスモデルに合わせて自由にカスタマイズが可能です。この5つの枠をどう活用するかで、分析の深さが大きく変わります。

2-3.なぜ属性情報が必要なのか?

①コンバージョンの質を可視化するため

広告運用において、「CPA(顧客獲得単価)が低い広告=良い広告」と判断しがちです。しかし、属性情報を取得すると、以下のような真実が見えてくることがあります。

広告CPACVユーザーの質(属性情報)判断
広告A1,000円ほとんどが利益率の低い「お試しセット」のみ縮小検討
広告B3,000円多くが「本商品」を購入し、LTV(生涯価値)が高い予算強化

属性情報があれば、単なる「数」の比較ではなく、「どちらの広告が最終的な利益(ROI)に貢献しているか」という視点で、予算の配分を最適化できるようになります。

②ターゲットを獲得できているか・属性によってCVの動きが異なるかを可視化するため

ターゲットコンバージョンしやすい時間帯
想定30代女性週末~日曜にかけてコンバージョンが増える
実際20代女性が全体の7割平日の夕方以降にコンバージョンが増える

2-4.実装の前に:サイト側に「変数」があるかを確認

属性情報を取得するためには、サイト側のシステム(カートシステムやフォーム)が、その情報を書き出せる状態である必要があります。この、データを一時的に保持している箱を「変数」と呼びます。

アドエビスの設定を行う前に、まずは貴社のサイト制作者様やシステム担当者様に、以下の点を確認してください。

  • 確認の伝え方例:
    「コンバージョンした際の『会員ID』や『売上金額』をアドエビスでも取得したいと考えています。完了画面(サンクスページ)のプログラム上で、それらの値を表示させるための『変数名』を教えていただけますか?」

この「変数名」が分からないと、アドエビス側でいくら設定をしてもデータを取得することができません。実装の第一歩は、この確認から始まります。

3.PDCA活用シーン

【不動産業界の例】資料請求の「数」ではなく「成約見込み」で評価する

  • 課題:
    Web広告経由の資料請求(コンバージョン数)は増えているが、営業担当からは「予算が合わない方が多く、成約に繋がらない」という不満が出ている。
  • 属性情報の活用:
    フォームのアンケート項目にある「年収レンジ」と「検討時期」を、アドエビスの「項目1」と「項目2」に取得するよう設定。
  • 分析と改善:
    レポートを確認すると、広告CはCPAが非常に安かったものの、取得したユーザーのほとんどが「年収300万円未満・検討時期未定」であることが判明。逆に、CPAが高いと思っていた広告Dは「年収800万円以上・半年以内に検討」という優良なターゲットを多く連れてきていることが分かりました。
  • 結果:
    広告Cの予算を削り、広告Dへシフト。コンバージョン数は一時的に減ったものの、最終的な「成約数(売上)」を大幅に向上させることができた。

4.おわりに

属性情報の取得は、アドエビスを「単なる計測ツール」から「経営判断の羅針盤」へと進化させる重要なステップです。

「どの広告が売れているか」が分かれば、現場の運用担当者だけでなく、責任者や経営層に対しても、自信を持って広告予算の増額提案ができるようになります。

次回は、今回学んだ概念を形にするために、「属性情報を実際に取得する設定方法」について、具体的な設定手順を解説します。

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