電話タップやリンククリックといったアクションも計測できる、ボタンクリック計測

1.はじめに

前回までは、アドエビス運用の土台となる「共通タグ」と「コンバージョンタグ」の設置方法を学習しました。これにより、サイト全体の流入や、最終的な成果地点への到達を正しく測る準備が整いました。

しかし、実際のWebサイトには「URLが切り替わらないアクション」も数多く存在します。例えば、スマホ閲覧時の「電話発信ボタン」や、PDF資料の「ダウンロードボタン」、外部予約サイトへのリンククリックなどがそれにあたります。これらはページ遷移を伴わないため、通常のコンバージョンタグだけでは計測できません。

本記事では、こうしたサイトの作りの中でもコンバージョン地点として計測するためのボタンクリックの計測方法と、そのデータを活用した分析を解説します。

1-1.この学習でのゴール

  • 「ボタンクリックタグ」の仕組みと設定手順をマスターする。
  • ボタンクリックを「マイクロコンバージョン」として定義し、広告評価に活かす視点を持つ。

1-2.こんな方にオススメ

  • 「電話問い合わせ」や「外部サイトへの遷移」など、自社サイト内で完結しない成果を可視化したい方。
  • 最終コンバージョン(成約や契約など)の数が少なく、手前のステップで広告の良し悪しを判断したい方。
  • ランディングページ内のどのボタンが最も反応が良いかを比較し、改善に繋げたい方。

2.ボタンクリックタグの設定方法

アドエビスでボタンクリックを計測するには、専用の「コンバージョンタグ」を使用します。このタグは、特定のボタンをクリックしたタイミングでコンバージョンを計測するためのタグとなります。

また、こちらのタグはページに直書きする場合しか活用できません。Google タグマネージャーを利用している場合、こちらのタグを使用せずGoogle タグマネージャー側のトリガーにてご設定下さい。

2-1.設定の流れ

詳細の流れは、下記サポートサイトも併せてご確認ください。
▶ [仕様/設定] ボタンクリックタグによるCV計測設定

STEP1.タグの取得

1. アドエビス管理画面>「設定/管理」>タグ設定>タグ管理を押下。
2. 「+」ボタンをクリックし、ページID、ページタイトル、ページURLに任意の内容を入力し「次へ」を押下。
3. CV名を入力し、「その他のタグマネージャー/利用無し」を選択し、CV条件欄にて「ボタンクリック」を選択
4. 属性情報画面を任意で設定。

5. 登録完了画面から必要なタグを出力。

STEP2.タグの設置

1. STEP1で出力したボタンクリック用タグの記述をボタン部分のソースコードに記述。

《記述例》

  • ボタンクリックコンバージョン設定前のソースコード
    <a href="任意のリンク先URL">サンプル画面へ</a>
  • ボタンクリックコンバージョン設定を行ったソースコード
    <a href="任意のリンク先URL" class="ebis_button_trigger" data-cid="▲▲"data-pid="■■">サンプル画面へ</a>

※▲▲には、アドエビス管理画面の[タグ管理>タグ管理]に記載されている「アドエビス引数」を記載します。
■■には、アドエビス管理画面の[タグ管理>カスタマイズタグ]で登録した「ページID」を記載します。
※ ▲▲と■■はボタンクリックタグを管理画面から取り出した時点で記入されていますので、変更の必要はありません。

2. ボタンクリックを計測するページにて共通タグが設置されているかを確認する。

2-2.設定時の注意点:計測の「粒度」について

設定前に決めておくべきポイントが、「どの粒度で計測するか」です。

  • 個別に計測したい場合
    ページ上部と下部のボタンを別々に評価したいなら、それぞれ異なるコンバージョンタグを発行して設定します。
  • 合算して計測したい場合
    ページ内のどこであっても「資料請求ボタンが押された」という事実だけをまとめたいなら、同じIDを共有して設定します。

3.PDCA活用シーン

ボタンクリック計測ができるようになると、分析の幅がぐっと広がります。特に「成約までの検討期間が長い商材」や「コンバージョン数が月間数十件程度におさまる商材」で真価を発揮します。

活用例:高単価BtoB商材での「先行指標」管理

あるBtoB企業では、Web上の最終成果である「商談申し込み」が月に数件しか発生せず、広告の良し悪しを判断するのに数ヶ月かかるという課題がありました。

【解決フロー】
  1. マイクロコンバージョンの設定
    最終成果の手前にある「事例集PDFのダウンロード」や「サービス紹介動画の再生」をクリック計測として設定。
  2. 先行指標での評価
    最終コンバージョンはゼロでも、マイクロコンバージョンが活発に発生している広告は「ターゲットには響いている」と判断し、配信を継続。逆にクリックはされるがマイクロコンバージョンすら発生しない広告は、早い段階で停止。
  3. 質と量の両立
    単にクリック数を見るのではなく、「マイクロコンバージョンを達成したユーザーが、後にどれくらい最終コンバージョンに至ったか」をアドエビスで確認。
【判断基準】
  • マイクロコンバージョン率が高いが最終コンバージョンに至らない広告
    「興味喚起はできているが、成約への期待値調整や導線に課題がある」と判断し、ランディングページの訴求を見直す。
  • マイクロコンバージョンすら発生しない広告
    「ターゲット自体がズレている」と判断し、媒体のセグメントやキーワードを変更する。

4.おわりに

電話タップやリンククリックといったアクションの計測は「ブラックボックス」になりがちでした。しかし、ボタンクリックを計測することで、ユーザーが「何に興味を持ち、どこで迷ったか」という熱量を数値化できるようになります。

「共通タグを埋めて終わり」ではなく、ユーザーの重要なアクションを一つひとつ拾い上げることが、精度の高いPDCAへの第一歩です。

次回は、こうして溜まったアドエビスのデータと、Google広告やLINEヤフー広告などの媒体データを正しく照らし合わせるための重要知識、「媒体項目とアドエビス項目の違い」について詳しく解説します。

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