13.チームで成果を最大化する!ユーザー・代理店管理の正しい権限設計

1.はじめに

前回まででは、アドエビスの計測ロジックや正確なデータ計測の重要性、そしてデータの保持期間といった「仕様」について学んできました。アドエビスの前提理解が完了し、実際の設定時にまず行うべきこととしては「誰が、どのデータにアクセスできるようにするか」という、組織としての「運用基盤」を整えることです。

本記事では、社内チームや外部パートナー(広告代理店など)と安全かつ効率的にアドエビスを運用するための「ユーザー管理」と「代理店管理」の設定について解説します。前章までの内容を理解した上で、ここでは具体的な運用体制の構築に焦点を当てていきましょう。

1-1.この学習でのゴール

  • 自社の運用体制に合わせ、3種類のユーザー権限(アカウントオーナー・一般ユーザー・エージェントユーザー)を適切に使い分けられるようになる。
  • 広告代理店などの外部パートナーに対し、必要なデータ範囲のみを安全に公開する「代理店管理」の仕組みを理解する。
  • 関係者が「同じ数字」を見て迅速に意思決定できる環境を設計できるようになる。

1-2.こんな方にオススメ

  • アドエビスの導入直後で、社内メンバーやパートナーへのログイン権限発行を検討している方
  • 「誰にどの権限を付与すべきか」という権限設計の基準を知りたい方
  • 複数の代理店へ委託しており、情報の制限が必要な方

2.運用体制に合わせた2つの管理機能

アドエビスには、大きく分けて「ユーザー管理」と「代理店管理」の2つの管理機能があります。これらを適切に組み合わせることで、企業間での情報制限をしながら、スムーズなデータ共有が可能になります。

2-1.ユーザー管理:社内メンバーの「役割」で分ける

「ユーザー管理」は、主に自社(広告主)のメンバーに対し、役割に応じた「操作制限」を設けるための機能です。
アドエビスには3つの基本的な役割があります。
アドエビスでは、閲覧者ごとにユーザー登録を行い、利用者の管理を行うことを推奨しています。

権限種別権限を持つべき担当者操作範囲
アカウント管理アカウント責任者契約情報の確認、全ユーザーの追加・削除、
すべての設定変更、閲覧等。
編集現場担当者(作業者)広告の登録やタグの発行、レポートの閲覧。
閲覧意思決定者・ステークホルダーレポートの閲覧・分析のみ。設定変更や削除は不可。
活用のポイント:

不要なトラブル(誤操作による設定変更や削除)を防ぐため、日常的に設定を変更しないメンバーや、数値の確認のみを行うメンバーには「閲覧のみ」の権限を付与するのが安心です。

2-2.代理店管理:外部パートナーへの「表示範囲」を限定

代理店管理は、自社の広告運用を委託している外部パートナーにログイン権限を付与する際に使用します。
「ユーザー管理」との最大の違いは、「見せたい広告データだけに絞り込める」点にあります。

  • 表示範囲の制限:
    特定の「広告カテゴリ(媒体種別、キャンペーン等)」に関連付けられたデータのみを表示させることができます。
  • 情報の出し分け:
    例えばA社(代理店)にはA社が運用する広告の成果だけを見せ、B社のデータは非表示にするといった制御が可能です。
  • 代理店内での権限設定:
    代理店権限の中にも「編集(設定変更可)」と「閲覧」が存在し、作業範囲を制御できます。

2-3.なぜ「同じ管理画面」を共有すべきなのか

アドエビスを運用する上で最も重要なのは、広告主と代理店が「同じ計測ロジックに基づいた、同じ数字」を見て議論することです。

各媒体の管理画面は、それぞれの媒体に有利な計測ロジックで動いているため、合算するとコンバージョン数が重複し、正しい評価が困難になります。アドエビスという共通の「物差し」を関係者全員で共有することで、無駄な数値の突き合わせ作業をなくし、次の施策に向けた本質的な議論に集中できるようになります。

3.PDCA活用シーン

これまでは、代理店ごとに異なるフォーマットのレポートを受け取り、媒体間の重複を自社で計算し直す必要がありました。
しかし、代理店にアドエビスの権限を付与し、共通のダッシュボードを活用することで、以下のようなフローに変わります。

  1. 事前共有:
    定例会前に、広告主と代理店双方がアドエビスの同じ画面を確認。
  2. 現状把握の省略:
    「今月のCPAはいくらか」「どの媒体が貢献したか」という事実確認の時間は最小限に。
  3. 意思決定への集中:
    「アドエビスの再配分CVで見ると、実はディスプレイ広告の貢献度が高い。予算をこちらにシフトしよう」といった、次のアクション(PDCA)に会議時間の多くを割けるようになります。

このように、単なるログイン権限の付与ではなく「共通の評価基準を持つ」ことが、運用のスピードを高めます。

4.おわりに

本記事では、チームやパートナーと安全・円滑にデータを共有するためのユーザー管理・代理店管理について解説しました。適切な権限設計は、企業間の情報制限を守るだけでなく、関係者全員が「同じ数字」を見て迅速に動くための強力な手段となります。

ここまででアドエビス運用の基盤が整いました。次の記事では、実際に計測を開始するための具体的なステップとして「計測対象サイトの設定」に進んでいきましょう。

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