評価の目的に合わせて使い分ける!「広告タブ」と「全トラフィックタブ」の違い

1.はじめに

前回まででは、アドエビスがデータを計測するための「パラメータ」や「タグ」の仕組みについて学習しました。計測の準備が整い、いよいよ管理画面でデータを確認しようとすると、多くのユーザーが最初に気になる点があります。

それは、「広告タブと全トラフィックタブで、コンバージョンの数値が合わない」という疑問です。

「同じアドエビスで計測しているのに、なぜ画面によって数字が違うの?」と不安に思う必要はありません。実は、この2つのタブは「集計のロジック」が明確に異なっているのです。本学習では、このロジックの違いを紐解き、現場で迷わず使い分けられる判断基準を解説します。

1-1.この学習でのゴール

  • 「広告タブ」と「全トラフィックタブ」の計測対象の違いを正しく理解する
  • 流入経路の優先順位によるコンバージョン計上ルールの差を説明できる
  • 分析の目的に応じて、どちらのタブを優先すべきか判断できるようになる

1-2.こんな方にオススメ

  • 広告管理画面の数値とアドエビスの数値がズレる理由を論理的に説明したい方
  • 広告以外の流入(自然検索やSNSなど)を含めたサイト全体の成果を把握したい方
  • クライアントや上司から「どの数字を信じればいいの?」と聞かれて困っている方

2.2つのタブの大きな違い

アドエビスには、分析の切り口に合わせて「広告」と「全トラフィック」という2つの大きな集計ロジックが用意されています。

2-1.広告タブ:広告施策の成果のみを評価する

広告タブは、その名の通り「アドエビスのパラメータが付与されたクリック」のみを対象に集計する画面です。

  • 計測対象:
    入稿用URLを経由したアクセスのみ
  • 集計ルール:
    コンバージョンに至るまでに「どの広告をクリックしたか」は追いかけますが、自然検索やブックマークなど、パラメータの無い流入は管理画面へ反映しません。
  • 役割:
    広告費を投じた施策の中で、どの媒体・キャンペーンが最も効率的にコンバージョンを獲得したかを可視化します。

2-2.全トラフィックタブ:サイトへのすべての流入を評価する

全トラフィックタブは、広告だけでなく、自然検索、外部リンク、ダイレクトといった、共通タグが設置されたページへのすべての流入を対象にします。

  • 計測対象:
    共通タグが設置されたページへの全アクセス
  • 集計ルール:
    広告も自然検索もすべて公平に扱われ、コンバージョンに至るまでに接触した流入元をすべて集計します。
  • 役割:
    ユーザーがサイトに訪れる「あらゆる接点」を把握し、マーケティング施策全体の貢献度を確認します。

【比較表】広告タブ 対 全トラフィックタブ

項目広告タブ全トラフィックタブ
集計対象広告(パラメータあり)のみすべての流入
(広告+自然検索+外部リンク+ダイレクト)
主な目的媒体別のコンバージョン数/CPA/ROASの評価、
予算配分の検討
全体の流入バランス/貢献度の確認

2-3.ロジックの違いが生む「データの見え方」の差

なぜ2つのタブで数値がズレるのか、具体的なユーザーの行動例でシミュレーションしてみましょう。

具体例:広告で認知し、検索でCVした場合

あるユーザーが以下画像の〈実際のユーザーフロー〉ような行動をとったとします。

この時、アドエビスの各タブでは以下のようにカウントされます。

広告タブでの見え方
  • 広告A:1 CV/広告B:初回接触1
  • 理由:
    広告タブは「パラメータがあるアクセス(=広告)」のデータのみを反映します。外部リンクやダイレクト、自然検索はパラメータがないため省かれ、広告のみが評価されるためです。
全トラフィックタブの見え方
  • 自然検索:1 CV/それ以外の接触はそれぞれ初回接触、間接効果としてカウント
  • 理由:
    全トラフィックタブは「すべての流入」のデータを反映します。コンバージョンの直前にあるのは自然検索であるため、ラストのコンバージョンとしては自然検索へ計上されます。

このズレを「どちらかが間違っている」と捉えずに、それぞれの目的を理解したうえで使い分けることが重要です。

3.PDCA活用シーン

現場でどちらのタブを見るべきか、目的に合わせた判断基準を示します。

シーンA:運用型広告の「投資対効果」を最適化したい

「Google広告とLINEヤフー広告、どちらの予算を増やすべきか?」という判断には、広告タブを使用します。

自然検索などの変数となる要因を排除し、純粋に「広告費を投じた施策」同士を同じ土俵で比較できるため、CPA(顧客獲得単価)に基づいた正確な予算配分が可能です。

  • ネクストアクション:
    広告タブでCPAが良い媒体の予算比率を高め、CPAが悪い媒体はクリエイティブの差し替えや予算削減/出稿停止を検討する。

シーンB:サイト全体の「集客構造」を改善したい

「最近、広告費を増やしているのに全体のコンバージョンが伸びない」といった悩みには、全トラフィックタブが有効です。

広告をクリックしたユーザーが、その後SNSで戻ってきているのか、あるいは自然検索で戻ってきているのかを分析することで、チャネルを跨いだ貢献度を把握できます。

  • ネクストアクション:
    広告から流入した後にブックマークで戻るユーザーが多いなら、リピート購入を促すメルマガ施策を強化するなど、広告以外の打ち手も検討する。

4.おわりに

アドエビスの2つのタブは、分析の目的に合わせて使い分けることができます。

  • 広告施策の精度を高めたいなら「広告タブ」
  • マーケティング全体を俯瞰したいなら「全トラフィックタブ」

このロジックの違いを理解していれば、関係各所への報告もスムーズになり、より深いデータ分析が可能になります。

さて、計測ロジックが理解できたら、次は「そのデータはいつ画面に反映されるのか?」が気になるところです。次回は、アドエビスの強みであるリアルタイム性を支える「データ反映タイミング」について解説します。

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