【レポート作成手順】初回接触残存効果分析編

アドエビスの設定が完了し、いざ分析開始!となったものの、「どのタイミングで、どの施策の評価を行ったらよいか分からない」「週次や月次での報告の場で使うレポートにアドエビスのデータを落とし込むにはどうしたらいいんだろう?」と迷われる方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、アドエビス管理画面からダウンロードしたデータをカスタマイズしてレポーティングしたい方向けに、初回接触の残存効果を分析できるダッシュボードの作成手順をご紹介します。

※ご案内するExcelの操作につきましては、ツール側の仕様変更などにより保証はできませんので、ご参考までとご認識ください。

1. こんな方にオススメ

  • 潜在層向けの施策をどのように評価したらいいか迷っている方
  • 最初に広告に接触してからCVに至るまでどれくらいの時間がかかるのか知りたい方

2.アトリビューション分析の重要性

インターネット広告を運用するうえで、潜在施策も評価できるアトリビューション分析は非常に重要です。
なぜなら、アトリビューション分析をしないと、次の2つの失敗が起きるからです。

  • 成果(コンバージョンや売上)を生み出している広告をやめてしまう
  • 無駄な広告の予算を増やしてしまう

どちらの失敗も、気付いていないだけで、すでに発生しているかもしれません。詳しく見てみましょう。

2-1. 成果(コンバージョンや売上)生み出している広告をやめてしまう

1つめの失敗は「成果(コンバージョンや売上)を生み出している広告をやめてしまう」です。

アトリビューション分析をしないと、コンバージョンの直前の“最後のクリック”を発生させた広告以外の評価ができません。

実は、“成果を生み出しているのは最後のクリックの広告だけではなく、その前段階のアシストクリックも貢献している”という状況は、発生しています。

アトリビューション分析をせずにインターネット広告を運用すると、最後にクリックされた広告のみが売上に対して100%の貢献をしていると勘違いして、それ以外の広告を誤って中止してしまうリスクがあります。

2-2. 無駄な広告の予算を増やしてしまう

2つめの失敗は「無駄な広告の予算を増やしてしまう」です。

コンバージョンにどの広告が本当に“効いて”いるのかを把握できていないと、ラストクリックの広告を過大評価して、ラストクリックの広告予算だけがアンバランスに増えていきます。

同時に、効果が不明瞭な広告を漠然と継続しがちな点にも注意が必要です。

あなたの会社でも、こんな広告はありませんか。

  •  「コンバージョンにどれだけ貢献しているのが不明瞭だが、認知度アップのために広告出稿を継続している」
  • 「数字では効果が計測できていないが、ブランディングのためにリピート出稿している」

こういった「数値では効果が測れていないものの、きっと効果があるだろうと期待して、漫然と継続している広告」が発生するのは、アトリビューション分析をしていないからです。

なかには貢献度の低い無駄な広告も含まれており、費用対効果が悪くなっています。

3. レポートフォーマットサンプル

今回ご紹介するのはアトリビューション指標の一つである「初回接触」を用いたレポートサンプルです。

ユーザーが初回広告に接触してからCVまでどれくらいの期間を要しているか確認するためのレポートです。

扱う商材の検討期間の傾向がご確認いただけるため、どのタイミングで認知施策を実施し、どのタイミングで刈り取り施策を実施するかの参考にしていただけます。

作成難易度:中

作成目安時間:20分

4. レポート作成手順

(1) 管理画面[広告>コンバージョン属性]から必要データをダウンロード

  1. 該当期間を選択します。
  2. 「項目切替」からレポートにしたい集計軸・表示項目を指定します。
    A.「CV時間」「潜伏期間」「接触回数」を指定します。
    B.「直接効果」「初回接触」を指定します。
    C.「発生日時」「媒体種別」「広告グループ1」を指定します。
  3. 絞り込みをする場合は「フィルタ」からフィルタを指定します。
  4. 「エクスポート」からデータを出力します。

(2) 元データの準備(Excelへの取り込みと日付データの確認)

  1. 取り出したデータをExcel等に貼り付けます。
  2. 「初回接触(発生日時)」と「CV時間」の列が、Excel上で正しく「日付」として認識されているか確認してください。
  3. 「CV時間」の右に「CV時間-分類」、「初回接触(発生日時)」の右に「初回接触(発生日時)-分類」の列を追加し、それぞれ月単位の値を算出します。  * CV時間-分類の関数例:=TEXT(B2, "yyyy年m月")  * 初回接触(発生日時)-分類の関数例:=TEXT(I2, "yyyy年m月")

(3) ピボットテーブルの挿入

  1. データが入力されている表の「CV時間」~「初回接触(広告グループ1)」を含む任意のセルを選択します。
  2. 上部リボンの [挿入] タブ > [ピボットテーブル] をクリックします。
  3. 「テーブルまたは範囲からのピボットテーブル」ウィンドウが出たら、そのまま「新規ワークシート」を選んで [OK] を押します。

(4) レイアウト(行・列・値)の設定

画面右側に表示される「ピボットテーブルのフィールド」ペインで、以下のように項目をドラッグ&ドロップします。

  • 行エリア:「初回接触(発生日時)-分類」をドラッグします。
  • 列エリア:「CV時間-分類」をドラッグします。
  • 値エリア:CV件数をカウントするため、空欄がない列(例えば CV名 などの項目)をドラッグします。

(5) フィルター(スライサー)の設置

クリックで直感的に絞り込めるボタン群(CV名、媒体など)を、Excelの「スライサー」で再現します。

  1. ピボットテーブル内の任意のセルをクリックします。
  2. 上部リボンの [ピボットテーブル分析] タブ > [スライサーの挿入] をクリックします。
  3. お好みで、以下の項目などにチェックを入れて [OK] を押します。
    例:CV名/潜伏期間/接触回数/直接効果(媒体種別)/直接効果(広告グループ1)/初回接触(媒体種別)/初回接触(広告グループ1) 等
  4. 画面上に3.で選択したスライサーが現れるので、ピボットテーブルの上部に綺麗に並べます。
    ※Tips: スライサーを選択し、[スライサー]タブから「列」の数を2〜3などに増やすと、横長のコンパクトなボタン配置にできます。

▼スライサーの項目選択イメージ

▼スライサーの整列イメージ

5. レポートからの考察例

こちらのレポートからどのような考察を行うことができるかを見ていきましょう。

考察例:

事実:

2025年3月のコンバージョン(16件)のうち、直近1〜2ヶ月前(2025年1月・2月)の初回接触が計10件(62.5%)と過半数を占めている。一方で、3ヶ月前(2024年12月)を境にCV件数は各月2件(12.5%)へと減少し、そこから5ヶ月前(2024年10月)までは同数(2件)のまま横ばいで推移している。

解釈:

初回接触からCVに至るまでのメインの検討期間(ボリュームゾーン)は「2ヶ月以内」である。3ヶ月目以降は残存効果が一段階減少するものの、即座にゼロになるわけではなく、最長で5ヶ月前までの認知がコンバージョンを底上げし続けている。

結論:

新規媒体のテスト運用時、初期の評価サイクルはメインの刈り取り期間をカバーする「3ヶ月」に設定し、3ヶ月間はラストCVが少なくても並走して初回接触の発生状況(アトリビューション効果)を評価する。

ただし、当月〜1ヶ月前のラストクリックCVのみで媒体の良し悪しを判断すると、5ヶ月前に初回接触を発生させた施策(認知広告やSNS施策など)を過小評価し、予算を誤って縮小してしまうリスクがあるため、本レポートに加えて「初回接触重視のアトリビューション評価モデル」を適用した再配分CVでの評価を並行して導入し、中長期的な投資判断の最適化を行うべきである。

備考:再配分CVと評価モデルについてはこちらをご覧ください。

考察後、上長やクライアント様へ報告を行う場合、レポート内容をもとに以下のようなお伝えもできます。

「〇〇の認知施策はラストクリックでの直接CVこそ少ないですが、アドエビスのデータから『CVの底上げ』に最長5ヶ月間も貢献している事実が分かりました。

ここで配信を停止すると数ヶ月後のCV数が一気に落ち込むリスクがあるため、初回接触を加味した新基準でのご予算アロケーションを提案させてください。」

6. おわりに

初回接触の残存効果ダッシュボードを作成することで、ユーザーが初めて広告に接触してからコンバージョンに至るまでの期間や、各施策の長期的な貢献度を視覚的に把握できるようになります。 すぐにCVに繋がらなくても、後から成果を生み出している潜在層向けの広告を正しく評価し、最適な予算配分やコミュニケーション設計の参考にしてみてください。

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