【レポート作成手順】想起率分析
アドエビスでアトリビューション分析をしたいが、「どの指標もなんだかしっくり来ない」「認知施策を、特定の施策へパスができていたら良しとしたいのだけど、どう見たらいいんだろう」と思ったことはありませんか?
そこでこの記事では、特定のチャネルや媒体へパスができているのか(想起率)を分析できるレポートの作成手順をご紹介します。
※ご案内するExcelの操作につきましては、ツール側の仕様変更などにより保証はできませんので、ご参考までとご認識ください。
1. こんな方にオススメ
- 認知施策の評価指標を模索している方
- 認知施策(クリック)→検索→CVという流れを想定した施策を実施している方
2. 想起率とは?
本記事では、ユーザーの検索行動を促したことを「想起」としています。
(例)CVユーザーの接触履歴に「ディスプレイ広告クリック→自然検索」というフローがあった場合、ディスプレイ広告に想起数を1カウントします。
想起率(=想起数÷クリック数)が高い広告ほど、ユーザーがその広告をクリックしたことで商材の印象が残っており、後の検索行動を促したと想定して評価するというものです。
想起率を使った評価が適しているかは、広告の目的であったり、実際に数値を出してみたりしてご検討ください。
3. レポート作成手順
作成難易度:中
作成目安時間:20分
(1)管理画面[全トラフィック>コンバージョン属性]から必要データをダウンロード
- 該当期間を選択
- 「項目切替」にて必要項目を指定
A:「CV名」のみ
B:「直接効果」「間接効果(すべて選択)」「初回接触」すべて
C:「カテゴリ」のみ - 「フィルタ」にて「集計チャネル」>「クリック+自然検索」を選択
- 「エクスポート」からデータ出力
(2)出力したデータの加工
1. (1)で出力したシート(想起数計算用シートとする)に行を追加して記入欄を用意し、パス先となるカテゴリ名を記入する。
例)GoogleとYahooの自然検索の前に接触が多かったかどうかを分析したい場合、パス先に「Google」「Yahoo」を記載。(自然検索の[カテゴリ]には検索エンジン名が表示されているため)
※媒体名で「Google」と登録しており意図しない数値も混ざってしまう場合は、「Google広告」などの異なる文字列に置換してください。
2. 「初回接触(媒体カテゴリ)」と同じ行のM~U列に、順に「直接-間接2」「間接2-間接3」・・・「間接9-間接10」の項目を追記する。
3. 「直接-間接2」の下のセルに、以下の関数を入れる。
関数:「=IF(OR(B8=$B$4,B8=$B$5),C8,"0")」
※列や行番号はシートの状況に合わせ適宜調整してください。
意味:直接効果がパス先として記入したカテゴリのいずれかに該当する場合は、間接効果2のカテゴリ名を表示し、該当しない場合は"0"を表示する
※該当する場合でも、間接効果2が空欄の場合は"0"が表示されます。
4. 記入した関数をN~U列にも適用させ、A~L列にデータのある行まで適用させる。
(3)想起率の集計
1. 新しいシートを追加し、以下図のように媒体名、想起数、クリック数、想起率の項目を作り、媒体名の列には想起率を確認したい媒体名を記入する。
※媒体名は、アドエビスに登録している媒体種別名([カテゴリ]に表示されています)で記入してください。
2. (1)の出力データと対象期間を揃え、媒体名ごとのクリック数を記入する。
※カテゴリ分析画面から出力可能です。
3. 想起数の列に、以下の関数を入れる。
関数:「=COUNTIF('想起数計算用 '!$M$8:$U$59097,B3)」
※列や行番号はシートの状況に合わせ適宜調整してください。
意味:想起数計算用シートのM~U列の範囲にある「媒体A」の数をカウントする。
4. 想起率の列に、「想起数÷クリック数」を計算する関数を入れる。
(4)レポートの整形
合計行を追加したり、条件付き書式>カラースケールを登録し見やすく整形する。
4. 活用例
- いくつかの媒体の目的が「ユーザーに自社商材の印象を残し、検索活動につなげてCV獲得を狙うこと」である場合、どの媒体が最も目的を果たしているのかを比較し、要因を検討する。
- 媒体間の相対比較ではなく、上記目的を果たせるように改善サイクルを回すため、同媒体の前月比を確認して上昇/下降を確認し、要因を検討する。
5. おわりに
今回は、想起率分析レポートの作成手順を紹介しました。
広告の目的を改めて整理したり、自社データでも想起率を算出いただき、マーケティング施策の効果改善サイクルを回すために活用できそうかご検討ください。