【ウェビナーアーカイブ】Googleが3rd Party Cookieの廃止を撤回!今後のCookie計測はどうなる?
2024年8月28日に「Googleが3rd Party Cookieの廃止を撤回!今後のCookie計測はどうなる?」というウェビナーを開催しました。
日本時間の2024年7月23日にGoogle社より、「3rd Party Cookieの廃止方針を撤回する」というビッグニュースが発表されました。
このニュースは多くのマーケターに衝撃を与え、同時に”Cookie規制はどうなるのか/どうなっていくのか”という疑問を抱かせました。
そこで、弊社のCookie規制を当初から調査/研究してきた専任チームから今回のニュースの解説と、Cookie規制の現在・未来を解説することで情報提供ができればと思い開催したのが、今回のウェビナーです。
138名もの方にお申込をいただき、ご参加者のみなさまからは「難しいながらも、かみ砕いた説明もあって理解が深まった」というようなお声を沢山いただいた今回のウェビナー。
少しはみなさまの情報キャッチアップのお役に立てのではないかと感じております。
この記事では、ウェビナーでお話した内容を要約してレポートします。
「テキスト記事では理解しづらかったが口頭で説明されると理解しやすかった」といってくださるお客さまもおられましたので、以下よりアーカイブ動画もご覧ください!
また、資料はこちらからダウンロードいただけますので、あわせてご確認ください。
※動画、資料内にて「1st Party Cookieプログラム」のご紹介がございますが、2024年11月5日より「ITP対応プログラム」に名称を変更しております。
1. テーマ①:Cookie規制について振り返り
Google社のみならず、Apple社など多くのベンダーがCookie規制を進めてきました。
そこでまずは、各社がどのような対応を行い、現状どのような規制内容になっているのかをおさらいしました。
各ブラウザの規制を横並びにしてみると、対応の速さや回数など各社の違いが分かりやすいですね。
ウェビナーでは、補足に記載されているような単語や、年表の中の「ATT」など用語を解説しながら歴史をおさらいしました。
こちらが各社のCookie規制の内容です。ブラウザ毎のシェア率もご説明しましたが、Chromeのシェアが高く、今回のGoogle社の発表がマーケティングにおいても理解しておくべきニュースであることが分かります。また、規制対象は3rd Party Cookieだけではなく、一部1st Party Cookieにも及んでいるという点はおさえておく必要があります。この「一部」の1st Party Cookieがどういったものかについても具体的に解説させていただきましたが、規制される根本的な理由として、Cookie規制の根本概念である「ユーザーのプライバシー保護を守るべきだ」という原点に立ち返るものでした。規制の歴史と現在から、「プライバシー保護」について意識させられるセクションとなりました。
2. テーマ②:Googleの発表について
次に本題のGoogleの発表について、ご説明しました。
ニュースの内容を具体的に解説する中で重要なキーワードになってくる、Privacy Sandbox(プライバシーサンドボックス。以降英語表記のみとする。)など用語の説明もさせていただきました。なぜPrivacy Sandboxが重要なのかというと、「Cookieで実現出来た技術をCookie無しで実現するシステム」でありGoogleとしてはCookieを規制する代わりにPrivacy Sandboxを提供するという方針でGoogle社のCookie規制対応の歴史が始まったからです。Google社のCookie規制対応を理解する中では、Privacy Sandboxは切っても切れない重要な要素であるということですね。
ウェビナーでは、Google社のCookie規制対応・Privacy Sandboxの開発状況をまとめた歴史をご紹介しました。紆余曲折あったものの、Privacy Sandboxの開発が上手く進まず、結果3rd Party Cookie規制断念という方針転換が発表されました。
3rd Party Cookie規制断念を発表したからと言って、Cookie規制対応の手を緩めて良い・対応しなくてよくなったというわけではありません。Google社は「ユーザーがウェブ閲覧全体に適用される情報に基づいた選択を行える」新しい機能をChromeに実装すると発表しており、ユーザーのプライバシー保護については別の形で実現するとも発表しています。その点に関しても、一部例を交えて解説しました。
上図はPrivacy Sandboxが一般公開された際の画面表示ですが、Apple社のATTとは違い日本版のUIは「許可されやすいUI」になっている点についてもご説明しました。※日本版とEU版で見せ方が異なっています。
また、今後Cookieに関しては「拒否を選択しやすいUI」が採用され、多くのユーザーが「拒否」を選択するのではないかという弊社の予測もお話させていただきました。
まとめると、Google社はパブリッシャーに配慮するためにSandboxは許可させるようにしつつ、プライバシー保護もふまえCookieを拒否(に誘導)する設定にしていくものだと想定しています。詳細については動画で確認いただければと思いますが、見せ方1つでプライバシー保護を強めるか、現状維持させるのかユーザーの選択が変わってくる可能性もあるのではと問題提起をして本テーマを終了しました。
3. テーマ③:その他代替手段(API)について
3つ目のテーマとして、Cookieが使えない・制限されるこれから先はどのような技術が存在し、活用していくべきなのかをご説明しました。
Cookieを自由に使えた過去においては、計測やターゲティング領域はもちろんのこと、認証領域でもCookie技術は活用されてきました。その全ての領域で3rd Party Cookie、Fingerprinting(フィンガープリント)が活躍してきましたが、プライバシー保護の文脈で規制される/規制されているのが今後のマーケティングの世界です。ウェビナーでは各領域で今まで使われてきた技術と、これから先に提示される技術を一覧でご説明しています。
各社が代替機能をリリースしている状況ではありますが、Google社は全面的に代替機能を用意している中でApple社、Mozilla社(Firefox)は広告計測の分野でのみ代替機能を用意しておりブラウザにターゲティングを補完する機能を持たせないという方針が垣間見れることが分かります。また、代替技術の開発も進む一方で3rd Party Cookieにおいては、同一企業が保有する複数サイトのみでサイト横断でのデータ活用ができるというような制限を設けた「制限付き3rd Party Cookie」という形で生き残る可能性があるということもご説明させていただきました。その他にも、計測領域のApple社とGoogle社の仕組みの違いも解説させていただきましたので、詳しくは動画をご確認ください。
4. テーマ④:弊社の見解とアドエビスの今後
最後のテーマとして、一連のCookie規制、Google社のニュースの受け止めとアドエビスの今後について見解を発表させていただきました。
まずはみなさまが利用している媒体・ツールに対してのCookie規制の影響や対策内容を確認していただくことをお勧めします。そのうえで代替策が必要な場合には、代替サービス・代替技術の導入検討をしていただければと思いますが、プライバシー保護が根本的な規制の目的であることからしても、新規導入時にはプライバシーポリシーに関して法務担当の方と一緒に確認しながら導入いただくことをお勧めします。
そしてアドエビスに関しましては、大きな方針転換はなく引き続き様々な計測環境をご用意しまして安心して計測いただけるよう研究・開発を進めてまいります。
ここでは、各データ取得領域ごとに準備中の計測方法も交えて解説をさせていただきましたのでご興味のある方は動画をご確認いただければと思います。
5. 質問へのご回答
当日お時間の都合上、事前質問1問にご回答させていただくのみとなりました。
そこで、事前質問・当日質問ともにQAをご用意しまして資料末に掲載させていただきました。ご質問いただいた方もそうでない方も、ぜひこちらもご参照いただければと思います!
もし、他にもご質問がございましたら本記事最下部のご意見・ご要望フォームにてご連絡いただくか、Slackコミュニティでご質問いただければ何かしらの形でご回答させていただきます。
6. おわりに
ウェビナーの内容は、以上となります。
アンケートでは、このようなお言葉をいただきました。
- ディスカッション形式で分かりやすかった。投影いただいた資料を見返してしっかり復習しようと思いました。
- 対策していかなければならないことはわかっているものの理解できないことが多い内容だったので、この機会に勉強できてよかったです。
- 技術的な話もちょうどよく分かりやすい形で説明頂けたので、頭の中が整理できました!
- webサイトのテキストだと分かりにくい部分が口頭で説明頂きわかりやすかった
- 最後のAppleの今後の規制の可能性は特に興味深かったです。ありがとうございます。
- この件に関して、ここまで詳細に説明するセミナーはないと思います。
満足度は1~5の5段階でお伺いしたのですが、みなさまに3以上の評価をいただき、満足以上の評価が全体の約78%となりました。
技術的な内容を切っても切り離せないテーマではありまして、今回可能な限り解説をさせていただきましたが1度ではなかなか理解が進まない部分のある内容でもあるかと思います。ぜひ疑問は弊社にお寄せいただき解消できればと思いますが、本アーカイブ動画、資料も理解促進の一助としてご活用いただけたら幸いです。また、今回のような時事的なトピックスのウェビナーを今後も受講したいというお声もたくさん頂戴しましたので引き続きマーケティングの動向に目を光らせて、みなさまに情報提供できるよう努めてまいりたいと思います。
今後もお客様が”今気になっている情報”などのご意見を収集して企画をしていきますので、ご要望がございましたらお気軽に以下フォームよりお送りくださいませ。