【アドエビスのうらが「わ」】なぜAI時代のいま、企画力の向上が求められるのか?

2025年5月に正式リリースさせていただきました「AD EBiS Campaign Manager」。
このサービスはMCM(Marketing Campaign Management)という思想を元にプロダクト化したサービスです。このMCMを具現化し、市場を形づくる挑戦を継続的に発信すべく様々な視点で弊社の思想と挑戦をお届けしていきたいと思います!
生成AIが進化し、誰もが企画を“つくれる”時代になった。
そこで、いま、問われているのは——「なぜ、それをやるのか?」という問いの力だ。
AI時代にこそ必要とされる“企画力”の本質について考えてみます。
AIの進化は、私たちの“考える力”に新しい問いを投げかけています。 文章やデザインをつくり、ときには企画書すら自動で生み出される時代になりました。
「AIが考えてくれるなら、人間による企画の仕事は減っていくのではないか」——
そんな声をよく耳にします。
しかし私は逆に感じています。
AIが進化すればするほど、人間の“企画力”が問われるようになっている。
今回は、その背景についてお話ししたいと思います。
生成AIがもたらした“思考の転換点”
生成AIは、LLM(Large Language Model)と呼ばれる技術によって成り立っています。これは膨大な過去の情報をもとに、「次に来る言葉」を確率的に推測する仕組みです。
もちろん、これは非常に優れた技術です。
しかしマーケティングとは市場を創造する営みであり、過去を踏襲するだけでは新しい価値は生まれません。
マーケターに求められているのは、過去を活かしながら、新しい時代を切り拓く力です。
したがって、「すべてをAIに任せる」のではなく、
AIの力を借りながら、人間が主体的に企画する。
それがこれからの時代に必要な姿勢だと思います。
デジタルマーケティングの変遷を振り返る
もう一つ、AI時代の企画力を考えるうえで無視できないのが、
この20年間におけるデジタルマーケティングの構造的な変化です。
少し歴史を振り返ってみましょう。
【1】予約型広告の時代(2000年代)
メディアレップが発刊するメディアガイドを確認し、
どの媒体の、どの広告枠を、どの時期に買うかを決めていた時代です。
成果の差は、「どこに広告を出すか」というメディア選定力に依存していました。
【2】運用型広告の時代(2010年代)
GoogleやYahoo!の広告管理画面で、
キーワード単位・時間帯・曜日別などを細かくチューニングし、成果を最適化していました。
この時代は、“どのように運用するか”という運用者の技量が競争力でした。
【3】自動化の時代(現在)
そして現代。
Google、Meta、Amazonといった大手プラットフォームが提供するAIが、
自動で入札やメディア選定、配信最適化を行うようになりました。
つまり、かつて人が工夫していた領域が、いまではAIによって均質化されたのです。

いま問われる「本質的な企画力」
では、このような時代において、どこで競争優位を築けるのでしょうか?
私は、それが 「本質的な企画力」 だと考えています。
そもそも企画とは、
- 誰に向けた商品・サービスなのか
- その人は何に困っているのか
- どんな訴求で心を動かせるのか
- どのタイミングで、どの場所で届けるのが最適か
- どんなクリエイティブが最も効果的か
といった 5W1H(Why・Who・What・Where・When・How)を丁寧に考え抜くことだと思います。

企画力を、進化させる仕組み
重要なのは、優れた企画を一度生み出すことではありません。
再現性をもって生み出し続けること。
それを可能にするのが、データとプロセスです。
経験や勘に頼らず、企画・実施・振り返りを一つのプロセスとして確立し、継続的に運用していく。
このプロセスにのっとって実行することで、属人性を排除し、安定的な成果を生み出すことができます。
また、同じプロセスを重ねることでデータと知見が蓄積され、その学びが次の施策へとつながっていく。そこにAIを組み合わせることで、より高い精度の知見と再現性が生まれます。
「AIができること」が増えるほど、 「人にしかできない判断」が価値になる。AIが導き出す無数の選択肢の中から、何を選び、なぜそれをやるのかを決めるのは人間です。
私は、こうした取り組みが「これからのマーケティング組織」に欠かせない要素だと考えています。
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