【アドエビスのうらが「わ」】AD EBiS Campaign Manager開発ヒストリー~第16話 存在しない市場を切り拓く~

弊社の新サービス「AD EBiS Campaign Manager」が、2025年5月に正式リリースとなりました。
構想から約3年、リリースに至るまでのストーリーを公開することでプロダクトへの愛を感じていただき、そして製品開発を行う皆様の参考になればと思い全15話をお届けしておりましたが…
ご好評につき、本日は番外編として第16話目をお届けします。

【第16話】 岩田 進(代表取締役 CEO)がお届けします

経営会議──最終承認の場で見えたもの

画面越しに並ぶ経営陣の顔を前に、私は吉本の説明を聞いていました。
これまでの彼とは明らかに違っていました。自信を持ち、自分の言葉で語っている。かつては質問に「そうですね」と迎合するように答え、しっかり返せないことがありましたが、この日は違いました。

顧客からの声、数値データ、デモの映像──
彼の言葉には確かな裏付けがありました。私は経営陣の意見を聞きながら、代表として最終判断を下す立場にありました。そして心の中で、「人選は間違っていなかった」とつぶやいていました。

会議の最後、私は一言だけ告げました。

「お疲れさま。是非進めてください」

この瞬間、3年間の積み重ねが正式に承認されたのです。

3年間の歩みとチームの成長

思い返せば、幾度も試練がありました。ひとつを挙げるのは難しい。
ただ、ブレイクスルーを問うなら生成AIです。
20年積み上げてきたアドエビス、4年間続けた研究開発と、そして3年間のMCM開発──
それらがピタリと重なり合ったことで、最後の壁を突破することができました。

また、ここまで来るのに、チームの成長は欠かせませんでした。

最初は新規事業開発に不慣れで、私の指摘も基礎的な内容にとどまっていましたが、時間が経つにつれ、議論の質は大きく変わっていきました。吉本も加藤も、自ら課題を設定し、解決策を提示するようになった。その変化の積み重ねこそが、このプロジェクトを前に進める原動力となったのです。

プロジェクト責任者として意識していたこと

私が意識していたのは、その時々で取り組むべき課題を一つに絞ることです。

新規事業には課題が山ほど出てきます。そして真面目なチームメンバーであるほど、目の前のすべての課題に同時に向き合おうとする。しかし、それでは混乱を招き、結局何が問題なのか見失ってしまう。

だからこそ、その時々で「今取り組むべき課題は何か」を明確にし、集中することを大切にしました。

また、苦しい時期でも、私は「必ずできる」と前向きであり続けました。社内で孤立しないよう、常に最前線に立ち、不退転の覚悟を示すこと。それが責任者としての役割だと考えていました。

ダイヤの原石──未来への展望

AD EBiS Campaign Managerは、まだ完成されたものではありません。未熟であり、すぐに爆発的な売上を生むものでもない。ですが、私はこれをダイヤの原石だと思っています。

理由は明確です。

生成AIが登場し、これからあらゆる産業で働き方や業務プロセスが大きく変革されようとしています。AIエージェントという言葉に象徴されるように、多くの期待が寄せられていますが、それは決して魔法のようにすべてを解決してくれるものではない。あくまで基本となるプロセスが定義され、その上でAIが自動化・効率化を実現する─そういう世界観だと私は考えています。

私たちは、マーケティングという領域に「プロセス」を持ち込み、それをAIによって滑らかに推進する世界を描いています。この方向性は、時代の流れに合致しており、これから本格的に求められていく価値だと確信しています。
市場はまだ存在していない。だからこそ、そこに挑む意味があります。存在しない市場を切り拓き、新しい価値を築いていく。

結び──未来への覚悟

思想はカタチとなり、AD EBiS Campaign Managerが生まれました。しかし、これは完成ではなく、始まりにすぎません。未知の市場を切り拓く挑戦を、仲間と共に歩み続ける覚悟です


次回予告|第17話 Slackに刻んだ感謝の言葉 ― 奇跡を分かち合う祝杯

未来を切り拓く決意を語った経営会議。
だが、挑戦の裏にはいつも人がいる。

Slackに流れた一通の言葉と、笑顔で掲げたジョッキ──そこには、3年間を共にした仲間への想いが詰まっていました。
次回、第17話「Slackに刻んだ感謝の言葉 ― 奇跡を分かち合う祝杯
感謝と祝杯が映し出したチームの素顔。

≪ 第15話

第17話 ≫

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