【アドエビスのうらが「わ」】AD EBiS Campaign Manager開発ヒストリー~第15話 思想が形になった日~

弊社の新サービス「AD EBiS Campaign Manager」が、2025年5月に正式リリースとなりました。
構想から約3年、リリースに至るまでのストーリーを公開することでプロダクトへの愛を感じていただき、そして製品開発を行う皆様の参考になればと思い全15話をお届けします。

【第15話】 吉本 啓顕(執行役員)がお届けします
目次
経営会議──積み重ねた3年のすべて
画面越しに、経営陣の顔が並んでいました。
この3年間、何度も進捗報告を行ってきた経営会議ですが、この日はこれまでと違いました。プロジェクトの正式リリースを決定する、大きな節目の日だったのです。

緊張はしていましたが、恐れはありませんでした。
画面には、3年間の試行錯誤を詰め込んだ資料が並びます。これまでは仮説を中心に語る内容が多かったのですが、この日はモニター企業からの具体的なフィードバックや、提供したアウトプットといった“ファクト”を軸にした構成となっていました。
会議が始まりました。
顧客の声、数値、実際の利用デモ──そのひとつひとつを丁寧に画面越しで説明しながら、自然と腹の底から自信が湧いてきました。
「このサービスは、現場の課題を解決するだけでなく、
組織全体の意思決定を変えていきます。
モニター企業からは“もう手放せない”と言われています」
そう伝えたとき、画面の向こうの空気が少しずつ変わっていくのを感じました。
試される瞬間
質疑応答が始まりました。
この場は、単に承認を得るためだけのものではありません。プロダクトをさらに磨き、次のステージへと進むための大切な機会です。
「このサービスは、本当に顧客にとって価値があるのか?」
「価格設定の根拠は? 将来の拡張についてはどう考えているのか?」
「競合が参入してきた場合、どう差別化するのか?」
市場性、競合環境、事業性──
核心を突く質問が次々と飛んできます。
しかし、不思議と焦りはありませんでした。顧客と向き合い続けた3年間が、自分自身の言葉を自然と導いてくれたからです。
「以前なら、頭が真っ白になっていたかもしれません。
しかし、この日は違いました。
積み重ねてきた経験が、自分の言葉を支えてくれていたのです」
画面越しの経営陣の表情が、少しずつ柔らかくなっていくのが見えました。

そして、岩田さんが静かに口を開きました。
プロジェクトの責任者であり、経営陣の代表として最終判断を下す立場からの一言でした。
「ここまでお疲れさまでした。よくまとめたね。進めてください」
その瞬間、胸の奥で張り詰めていた糸が、静かにほどけていくのを感じました。
3年間の道のり
承認の余韻の中で、これまでの3年間の出来事が走馬灯のようによみがえってきました。
MCMという新しい概念を掲げながら、最初は霧の中を手探りで進むような日々でした。
理想に追いつけず、焦燥感ばかりが募った時期もありました。
制約の中でつくりあげた初期版のMVP。
「3ヶ月で仕上げる」と決めて走りきった日々の緊張感。
生成AIによってもたらされたブレイクスルー。
加藤さんをはじめ、仲間たちが見せてくれた成長──
「あらゆる試練がありました。
でも、どれも必要なプロセスだったと思います」
失敗し、学び、また挑戦する。
その繰り返しの中で、チームも自分自身も確実に変わっていきました。
自分の言葉で語れるようになった理由
「思想をカタチにする」。
それは、この3年間、ずっと意識してきたことでした。
理想を語るだけではなく、顧客の現場に足を運び、声を聞き、それをプロダクトに反映させる。
その積み重ねが、ようやく言葉に「重み」をもたらしてくれたのだと思います。
「以前は、説明していてもどこか他人事のように感じていました。
でも今は違います。
顧客との対話を通じて、“これは本当に必要なサービスだ”という確信を得ることができました」
チームの成長が背中を押した
承認を得られたのは、自分ひとりの力ではありません。
仲間たちの成長こそが、このプロジェクトを押し上げてくれました。
加藤さんが課題を先回りしてつぶし、関連部門との連携の質を高めてくれました。
エンジニア、デザイナー、カスタマーサクセス─
それぞれが主体的に動き、全員で議論しながら意思決定を重ねてきました。
「メンバーが成長してくれたからこそ、
PdMとしてもっと遠くを見渡せるようになりました。
本当に、チームに支えられてここまで来られたと感じています」
未来への眼差し
承認をいただいた瞬間、達成感よりも「ここからが本番だ」という気持ちのほうが強く湧いてきました。
市場はまだ動き始めたばかりで、プロダクトもまだ磨き途中の原石です。
「この3年間で積み上げてきたものを、
これからさらに磨き上げていきたいと思います。
AD EBiS Campaign Managerを“なくてはならない存在”に育てるために、
顧客とともに学び、進化を続けていきます」
3年前、何も見えていなかった自分が、今では自分の言葉でプロダクトを語れるようになりました。
その変化こそが、何よりの財産だと実感しています。
この日、プロジェクトはひとつの節目を迎えました。
けれど、物語はここで終わりではありません。
思想がカタチになったその瞬間を越えて、新たな挑戦が静かに動き始めていました。
次回予告|第16話 存在しない市場を切り拓く──岩田が語る未来への決意
3年間の積み重ねがついに承認され、AD EBiS Campaign Managerは新たなステージへと歩み出しました。
しかし、それは決してゴールではありません。むしろ、ようやくスタートラインに立ったにすぎないのです。
市場はまだ存在していない。だからこそ、その道のりは平坦ではなく、困難と未知に満ちています。
それでも挑む価値がある──その信念こそが、私たちを突き動かしてきました。
次回、未踏の市場を切り拓く挑戦、その先に描く未来とは。
番外編をお送りします。
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