【アドエビスのうらが「わ」】ACM開発ヒストリー~第14話 “受け身”から“自分ごと”へ~

弊社の新サービス「AD EBiS Campaign Manager」が、2025年5月に正式リリースとなりました。
構想から約3年、リリースに至るまでのストーリーを公開することでプロダクトへの愛を感じていただき、そして製品開発を行う皆様の参考になればと思い全15話をお届けします。

【第14話】 加藤 千佳(ACM事業開発室)がお届けします

発足当初の自分と不安

MCMのチームが立ち上がったとき、私はまだ別のプロジェクトをメインに担当していました。
外から眺めていたときは、順調に進んでいるように見えていました。しかし実際にメンバーに加わってみると、情報や議論は整理されないまま積み重なり、前進している実感が薄かったのです。

「最初は“与えられたミッションを確実にこなす実務担当”という意識が強かったです。大きな方向性はリーダーが描き、自分はその設計図を詰めて進める──そんなイメージを持っていました。でも、いざ現場に入ってみると、その設計図さえ輪郭がぼやけていて、どう動けばいいのか悩むことが多かったんです」

その違和感と戸惑いが、最初に直面した課題でした。

変化の芽生え──「自分が進めたい」への転換

大きなきっかけは、MCMの思想に触れたことでした。
「PdMになりたい」という思いはずっとあったのですが、何を軸にすればよいのか分からず、モヤモヤとした日々が続いていました。そんな中で出会ったMCMは、私自身がマーケティング現場で感じてきた課題と直結しており、「これなら自分が進めたい」と心から思えました。

『PdMになりたい気持ちはずっとありましたが、どうすればいいのか分からなかった。だからMCMでは、自分が思うPdMの役割を率先してやろうと決めました』

その決意は、日々の行動にも表れていきました。
頭にある課題や仮説を言語化し、同僚や先輩に壁打ちを依頼する。PJメンバー以外にも相談し、少しずつ課題を整理していく。
そうした積み重ねが、周囲から「推進役」として認識されるきっかけになっていきました。

自分と周りとの認識を統一するために作成した実際の資料

共感と距離感の変化

変化を後押ししたのは、吉本さんの存在でした。
ある時、二人きりで話していたときに吉本さんがぽつりと「うまくいかないなぁ」とこぼしたことがありました。

その瞬間、私は「PdMの立場でこれほどの重責を背負っているのか」と実感しました。だからこそ「支える」ではなく「共に担う」という意識に変わりました。その時、初めて腹の底から責任を引き受ける気持ちを固めたのです。

その覚悟があったからこそ、一歩踏み込んだ発言や行動ができるようになったのだと思います。

小さな行動がチームを変えた

率先して動き始めると、報告会の空気も変わっていきました。

  • プロトタイプ完成前から顧客インタビューを設定
  • 会議で議論が散らかりそうになれば、論点を整理して次の一手に落とし込む

それまで報告会は、岩田さんから基本的な進め方に関する指摘を受ける色合いが強かったのですが、私が先回りして整理を重ねることで、“次の一手を共に考える場”へと変わっていったのです。

「受け身ではなく、自分ごと化して動けるようになったことが一番の変化でした。課題の本質を捉え、解くべき問題を選び取る姿勢が身についたと思います」

結び

私は当初、自分が変わったという自覚を持っていませんでした。
しかし、面談で岩田さんから「変わったよね」と言われたとき、初めてその変化を実感しました。
一人の覚悟が、やがてチームを前進させ、組織を次のステージへと押し上げる原動力となっていったのです。


次回予告|第15話 思想がカタチになった日──経営会議で見えた景色

3年間、積み上げてきた企画と対話、失敗と学び。
そのすべてが、ひとつの会議室に持ち込まれる日がやってきました。
これはプロジェクトの節目であると同時に、
自分自身が問い直される瞬間でもありました。

期待、不安、責任──さまざまな感情が入り混じる中、
画面越しに並ぶ経営陣の視線が、じっとこちらを見つめています。

問いかけられるのは、「本当に価値を生み出せるのか」という一点。

そしてその問いに、自分の言葉で、ようやく答えられるようになった。
そんな実感が、ふと訪れたのです。

“思想”が“プロダクト”に変わった──その日、見えていた景色とは。

≪ 第13話

第15話(Coming Soon…)


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