【CVRを改善するための対策について】CVRの改善方法
「【CVRを改善するための対策について】CVRが低下する要因」では、以下3つのポイントについてご紹介させていただきました。
- CVRの現状を把握する
- 基準となる数値を元に、評価する
- 効果が芳しくない場合に考えられる要因を洗い出す
そのうえで本記事では、CVRが低下した際に具体的などのような改善を行うべきか、各種施策をご紹介します。CVR改善にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
1. CVR(コンバージョン率)の改善施策8選
WebサイトのCVRを改善するには、「Webサイトへの流入の質を改善する」「ユーザーが離脱する要素を排除する」「ユーザーにコンバージョンを促す」という3つのポイントが重要です。ここでは、具体的な8つの施策について解説します。
1-1. Webサイトへの流入の質を改善する
Webサイトへ集客する施策を行う際には、リードの「数」だけではなく「質」も意識することが大切です。コンバージョン確度の高いユーザーが多く訪問する方が、必然的にCVRは向上するためです。
施策①最適なターゲットを設定する
ターゲティングが間違っていると、たとえアクセス数が増えてもCVRは低く、コンバージョン数は伸びません。むしろ、母数が膨らむため、CVRが悪化する要因となります。
CVRを改善するには、まずは想定したターゲットによるコンバージョンが実際に発生しているのか、アクセスユーザーの属性とペルソナを比較してみましょう。
狙っているターゲットからの流入を獲得できていないのであれば、コンテンツ制作や広告配信のキーワード設定を見直すことが重要です。
施策②ユーザーのコンバージョン経路を正確に計測・分析する
ユーザーがどのような経路でWebサイトへ到着しコンバージョンへ至っているかを確認することも、CVRを改善するためには非常に重要です。
ポイントは、コンバージョンの直前に接触した施策だけでなく、初回接触や間接効果まで確認することです。例えば、購入に至ったユーザーが初めて商品・サービスを認知したのはどの施策なのか、その後どの施策を経由してWebサイトへ訪問したのかを確認しましょう。
コンバージョンへの貢献度の高い施策が把握できれば、その施策に積極的に広告費を投資するという判断ができ、流入するリードの質を高めることに繋がります。
アドエビスでは、「再配分CV」や「TCPA」、「TROAS」を活用いただくことで、間接貢献度も加味して広告を評価することができます。
1-2. ユーザーが離脱する要素を排除する
CVRを高めるには、ユーザーがWebサイトから離脱しない工夫も重要です。コンバージョン地点が設置されているLPまで進んでいたとしても、コンバージョンを達成する前にWebサイトを離脱してしまっては意味がありません。途中離脱を防ぐためには、ユーザーにとって使いやすいWebサイトを構築することがポイントです。
施策③LPO(ランディングページ最適化)を行う
LPOは、ユーザーの離脱を防ぐために有効な施策です。LPOとはLanding Page Optimizationの略語で、ランディングページ最適化を意味します。
LPOで重要なのはファーストビューです。ファーストビューとは、ページを開いたときに最初に目に入る部分のことです。ファーストビューを見た際に「興味がない」「思っていたのと違う」と感じたユーザーは、そのままサイトの詳細を見る前に離脱してしまいます。第一印象でユーザーにとって有益なサイトであることを伝えられるかがポイントといえます。
LPOには、A/Bテストツールの活用もおすすめです。複数パターンで検証し、CVRが高まる内容に改善していきましょう。
施策④EFO(入力フォーム最適化)を行う
EFOは、LPOと並んで取り組むべき施策です。EFOとはEntry Form Optimizationの略語で、入力フォーム最適化を意味します。
「入力項目が多くて面倒くさい」「入力エラーが表示されたけど、何が間違っているのか分からない」ということが起きると、ユーザーが離脱しやすくなってしまいます。
入力項目が最小限になるよう精査したり、自動入力機能を取り入れたりすると、ユーザーが快適にフォームを入力できるようになります。
施策⑤マイクロコンバージョンを設定する
最終目標のコンバージョンだけではなく、その過程のポイントを「マイクロコンバージョン」として設定することで、CVRの改善に役立てることができます。
マイクロコンバージョンとは、最終的なコンバージョンに至る前の段階に設定する「中間目標」のことです。例えば、実契約を最終コンバージョンとしている場合に、資料請求や見積もり請求、問い合わせなどをマイクロコンバージョンとして設定します。
マイクロコンバージョンのCVRを計測することで、ユーザーが離脱しやすいポイントを細かく分析できるため、改善すべき施策の判断材料になります。
1-3. ユーザーのコンバージョンを促す
ユーザーにコンバージョンを達成してもらうためには、コンバージョンへのモチベーションを高める必要があります。例えば、コンバージョンに至るきっかけを増やしたり、ユーザーのニーズに合わせたCV地点を設定したりすることで、ユーザーがついクリックしてしまうような流れを作り出すことが大切です。
施策⑥Webサイトの導線を改善する
CVRを高めるには、ユーザーがコンバージョンに至るまでの道筋を整理する必要があります。
Webサイト内をどのように遷移して最終的にコンバージョンに至るのかを検討し、離脱する可能性がある箇所にCTA(Call To Action|行動喚起)を設置しましょう。
CTAとは、Webサイトの訪問者を具体的な行動に誘導するためのメッセージです。
例えば、ユーザーがLPを全て読み終わったとしても、そのページの最後にCTAボタンがなく、ページ最上部まで戻らなければ購入できないUIの場合、画面操作の手間が増えるためCVRは下がってしまいます。
そのため、ユーザーがコンバージョン地点までスムーズに移動できる導線設計が重要です。
ユーザー目線に立って、自然な流れを設計しましょう。
アドエビスでは「経路分析」がおすすめです。ユーザーがサイトに流入してからどのページで離脱する傾向にあるのかなどを分析することができます。課題のあるページを把握して導線の改善にご活用ください。
施策⑦ユーザーのニーズに合わせたCV地点を設置する
ユーザーのニーズに近いCV地点を設置することも重要です。
初めてWebサイトを訪問したユーザーにとっては、「購入」や「契約」のコンバージョンはハードルが高いものです。「購入する」「契約する」というCTAボタンしかない場合、すぐにコンバージョンに至る可能性は低いでしょう。まだ情報収集の段階であれば、「契約する」よりも「導入事例を見る」「打ち合わせをする」といった情報提供の機会を提供する方がニーズに適しています。
このように、訪れるユーザーが求めているものをCV地点とすることで、ユーザーとの接点を持つことができ、その後も継続してアプローチを行えるようになります。その結果、最終的な購入や契約のCVRも向上が見込めます。
また、チャットボットツールの活用も有効です。チャットボットは、ユーザーからの問い合わせにチャット形式で自動応答できるツールです。Webサイト上でもユーザーごとに個別で接客を行うことができ、ユーザーの疑問点を解決できるため、CVRの改善に繋がります。チャット上でコンバージョンを完結させられるものもあり、自然な流れでユーザーにコンバージョンを促すことができます。
施策⑧CTAボタンの内容・表示回数を改善する
CTAボタンは、ユーザーがクリックしたくなるような工夫が必要です。
クリック率が低い場合は、テキストや色、配置、表示回数などを改善してみましょう。
例えば、「資料請求はこちら」「会員登録はこちら」だけでなく、「CVR150%アップの事例を紹介!」「たった1分で申し込み完了!」のようなフレーズも付け加えると、ユーザーの興味関心が高まったり、心理的な負担を軽減させたりすることができます。
また、常に表示されている固定バナーや、ページのスクロールに合わせて追従するフローティングバナーを設置することで、ユーザーの目に触れる機会を増やすのも1つの手です。
改善点が不明な場合は、ヒートマップツールの活用もおすすめです。ヒートマップツールを利用することで、ユーザー行動が色で可視化され、ユーザーがどこまでスクロールしたのか、どこをクリックしたのか、どの項目を長く閲覧していたのかといった情報が確認できます。離脱に繋がりやすいポイントや、意図する行動を促せているかを把握するのに役立ちます。
2. 【業界別】CVRの改善施策
ここまでは一般的に適用できる施策についてご紹介させていただきましたが、業界によって最適な改善施策は異なります。本章ではより具体的に、業界別でのCVRの改善施策をお伝えいたします。
2-1. BtoC直接購買型(一般的なEC業界)
通販・ECサイトなどのBtoC直接購買型ビジネスでは、ユーザーが購入に至らない原因として「欲しい商品がない」あるいは「見つけられない」ということが挙げられます。
ユーザーが必要としている商品を揃えることは重要ですが、ラインナップが増えれば増えるほど、探している商品にたどりつきにくくなります。そのため、サイト内の回遊性を高めたり、検索機能を充実させたりして、欲しいものが見つかるサイト構造にすることが重要です。
幅広い世代の人が使用することが考えられるため、購入手続きはシンプルで分かりやすくしておくのもポイントです。
EC業界では、LTV※を意識したマーケティング施策を行うことが重要です。購入履歴をもとにおすすめ商品を紹介したり、定期的にクーポン配布やキャンペーンを実施したりして、リピート率を高めるためのアプローチを積極的に行い、CVRを改善しましょう。
※LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)とは、1人あるいは1社の顧客が、特定の企業と取引を開始して終了するまでの期間で、どれだけの利益をもたらすかを測る指標のことです。経営を安定化させるには、LTVを正確に把握して迅速に改善策を打ち出す必要があります。
2-2. BtoB(Saas・システム開発など)
SaaSやシステム開発などのBtoBビジネスでは、BtoCリード獲得型と同様に問い合わせフォームを通過してもらうことが第一の目標となります。そのためCVRを改善するには、「1-2」でもご紹介したEFO(入力フォーム最適化)から始めるのがおすすめです。
BtoCリード獲得型との違いは、BtoB業界では契約までに多くの人が関わり、購買プロセスが長期化しやすいことです。検討段階では、ほぼ確実に他社と比較されるでしょう。
そのため、リード獲得後に購買意欲を高めていくための施策(リードナーチャリング)もあわせて行うことが重要です。メルマガやコンテンツマーケティングでお役立ち情報を発信し、ユーザーの課題を解決することで、定期的にWebサイトに訪問してもらえるようにしましょう。そして、徐々に検討レベルを引き上げていき、購買意欲が高まったタイミングで商品・サービスの訴求を行うという導線が重要です。
3. まとめ
「 CVRを改善するための対策について」として、具体的なCVRの改善施策についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
特にサイトの改修が必要となる内容についてはすぐに実行することが難しいかもしれませんが、ECサイトのような既存ユーザーも利用するサイトであれば、ご紹介しましたとおりサイトの使い勝手はLTVにも影響します。
せっかく意欲高く訪問したユーザーを逃さないよう、ご紹介したポイントを参考に改めて確認いただければと思います。