Cookie代替技術とは?デジタルマーケティング(WEB広告)で使える技術8選と活用のポイントも紹介
近年、第三者ドメインが発行した3rd Party Cookieの利用を制限する動きが進んでいます。
Cookie規制は各社のマーケティングにも影響を及ぼしかねないため、代替技術を探している担当者の方も多いのではないでしょうか。
- 3rd Party Cookieの代わりに使える技術を知りたい
- Cookie規制が強化されてもマーケティングの成果を最大化したい!
そもそもCookieには主に「1st Party Cookie」と「3rd Party Cookie」の2種類があり、現時点でCookie規制の対象となっているのは3rd Party Cookieです。1st Party Cookieは今後も使用でき、他にも3rd Party Cookieにおける様々な代替技術が登場しています。
本記事では、3rd Party Cookieの代替技術をピックアップしてご紹介していきます。後半では3rd Party Cookieの代替技術を活用するポイントも解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
1.Cookie代替技術とは
Cookie代替技術とは、主に3rd Party Cookieの代わりとなる技術・手法のことをいいます。
Cookieとは、Webブラウザにアクセスした情報や履歴をブラウザ単位で識別し保存する機能のことです。ユーザーはログイン情報を入力する手間が省け、サイト運営者はユーザー行動をマーケティングに活かせるメリットがあります。
Cookieには「1st Party Cookie」と「3rd Party Cookie」の2種類があり、昨今Cookie規制の対象になっているのは主に3rd Party Cookieです。ユーザーの承諾なしに第三者から行動履歴や個人情報を取得されるリスクがあり、個人情報保護やプライバシー保護の観点で問題視されているためです。
これまでユーザー行動のトラッキングを3rd Party Cookieに頼ってきたサイト運営者にとっては痛手となります。このような背景から注目されつつあるのが3rd Party Cookieにおける「Cookie代替技術」です。
弊社が実施した「マーケター関心調査2024」によると、すでに57%の企業がCookie規制によるコンバージョンの乖離拡大を実感しています。
Cookie規制の影響は既に顕在化しつつあり、今後ますます拡大していくことが予想されるため、今のうちにCookie代替技術の導入に取り組む必要があります。
2.3rd Party Cookieの代替技術8選
3rd Party Cookieの規制が進む中、マーケターは3rd Party Cookieに代わる新たなマーケティング手法の検討が必要です。
そこで本記事では、3rd Party Cookieの制限に伴い新たに注目を集めているマーケティング手法を8つピックアップしました。
- 共通IDソリューション
- 1st Partyデータ
- コンバージョンAPI(CAPI)
- カスタマーマッチ
- データクリーンルーム
- マーケティング・ミックス・モデリング(MMM)
- 推定コンバージョン
- ブラウザの次世代API
それぞれの特徴を解説しますので、自社で導入できそうな技術がないか検討してみてください。
2-1.共通IDソリューション
共通IDソリューションとは、ユーザーのデバイス・ブラウザに固有の識別IDを割り当てることで、ユーザー行動をキャプチャする技術を指します。
Cookieに依存することなく、特定ユーザーへのターゲティングや広告効果測定が可能な手法です。
共通IDソリューションの生成方法には、大きく分けて以下の2種類があります。
種類 | 概要 |
---|---|
確定ID | メールアドレスや電話番号などの固定情報から付与されたID |
推定ID | IPアドレスやアクセス情報などから推測されて付与されたID |
確定IDでは確定的な情報でIDを生成するため精度が高くなり、パーソナライズされたマーケティング戦略を展開できます。ただし、広告配信の際の数が少なくなることがデメリットです。
推定IDは精度は下がりますが、プライバシーに配慮しながら広範囲のユーザーに広告配信できる点が魅力です。
どちらか一方に絞るのではなく、両方を併用することが推奨されています。
ただし、共通IDソリューションは、完全に3rd Party Cookieの代わりの役割を果たすわけではありません。活用する場合は慎重に進める必要があるでしょう。また、ユーザーへのプライバシー配慮は欠かせません。
2-2.1st Partyデータ
3rd Party Cookieの規制が強まる中、1st Partyデータの利用価値が高まっています。今後、1st Partyデータを用いた顧客分析やマーケティング施策の立案は欠かせません。
1st Partyデータの中に1st Party Cookieがあります。1st Party Cookieは比較的プライバシーに関する問題が少なく、大々的な規制を受ける可能性が低いです。
また、1st Partyデータはオフラインでも取得可能です。個人情報の取り扱いには細心の注意を払いながら、自社にとって最適なデータ取得方法を選びましょう。
ファーストパーティーデータの取得方法例
<オンライン>
- ファーストパーティCookieで取得したWebサイトに訪問したユーザーの行動データ
- Webサイトの会員登録
- アンケート/問い合わせフォーム
<オフライン>
- セミナーやイベントの参加者情報
- ショップカードの発行
また、取得したデータは以下のような方法で活用できます。
ファーストパーティーデータの活用方法例
- ユーザーの属性や関心事項を把握して最適な商品をレコメンド
- ニーズに合った商品開発
- 最適なアフターフォロー
2-3.コンバージョンAPI(CAPI)
コンバージョンAPI(CAPI)は、Cookieを使用せずにコンバージョンを計測する手法です。Cookie規制の厳格化が進む中、正確なデータ計測を行う手段の1つとして注目を集めています。
従来のCookieを用いた方法では、Webサイトにタグを埋め込んでCookieを発行し、データを広告媒体サーバーに送信していました。Cookie規制により精度の低いコンバージョンデータが機械学習に使用されると、広告配信の精度が低下する恐れがあります。
コンバージョンAPIでは、計測したコンバージョンデータを広告主のサーバーから広告媒体サーバーへ直接自動で送信するため、媒体でのコンバージョン計測精度を上げられます。それにより、広告媒体における機械学習の精度も向上するため、広告配信の最適化に活用しやすいのがメリットです。
2-4.カスタマーマッチ
カスタマーマッチとは、自社で保有している既存顧客の個人情報を広告媒体にアップロードして、広告配信のターゲティングに活用する仕組みのことです。
既存顧客や類似ユーザーをターゲティングしたり、既存顧客をターゲットから除外(デリートターゲティング)したりする際に役立ちます。
2-5.データクリーンルーム
データクリーンルームとは、異なる企業が保有する顧客データを、個人情報などの共通のキーを使ってつなぎ合わせ、プライバシーに配慮しながら分析するための環境のことです。
自社や関連企業が保有している顧客データと、プラットフォームが保有するユーザーデータを、個人情報などの共通のキーを使ってデータクリーンルーム内でつなぎ合わせ、個人を特定できない形式でアウトプットを生成します。それらを広告プラットフォームに連携することで、プライバシーに配慮しつつ、広告配信のターゲティングに活用できます。
2-6.マーケティング・ミックス・モデリング(MMM)
マーケティング・ミックス・モデリング(MMM)とは、マーケティング施策と成果に影響を与える要因の時系列データを用いて、各マーケティング施策の効果を定量的に評価する統計的な分析手法です。
例えば次のようなデータを用いることで、非個人データのみでの効果測定が可能となります。
- 広告のインプレッション数
- 広告のクリック数
- 広告の配信期間
- 広告配信期間中の売上高
これにより、どの施策が最も効果的だったのか、どの程度の予算配分が最適なのかといった示唆を得ることができ、マーケティング施策の効果測定に活用できます。
ただし、専門的な技術・知識を必要とするため、やや難易度の高い手法でもあります。
2-7.推定コンバージョン
推定コンバージョンとは、測定可能なデータで機械学習モデルを構築し、コンバージョンを推定する手法です。主に、直接測定できないコンバージョンを測定するために使われます。
ユーザーのプライバシー保護や、デバイスの切り替えなどの制限で測定できないコンバージョンを補完するため、より正確な広告評価ができます。
また、コンバージョンデータの増加により、広告配信や広告効果の最適化、入札戦略の精度向上などが見込めるのもメリットです。
2-8.ブラウザ次世代API
ブラウザ次世代APIとは、Cookieに依存せずターゲティングや広告配信、効果測定するブラウザのAPIです。Cookieとの大きな違いは、ユーザー情報を企業側のサーバーではなく、ユーザー側のブラウザで保持できる点です。個人情報は常にユーザー側に置かれたうえで、ユーザー情報をターゲティングに活用できます。
代表的なのはGoogle社が提唱しているプライバシー・サンドボックス(Privacy Sandbox)です。SafariのPrivate Click Measurement(PCM)など、他のブラウザでも類似機能が開発されています。
広告配信面では、プライバシー・サンドボックスの技術の1つである「Protected Audience API」を活用することで、Cookieを使わずにプライバシーに配慮したリターゲティングが可能です。
また、「Attribution Reporting API」「Private Click Measurement」などを活用すると、Cookieに依存しない広告効果測定が可能となります。さらにTopics APIではCookieを使わずに興味関心データを収集できます。
3.Cookie代替技術を活用するときのポイント
ここからは、Cookie代替技術を活用するときのポイントを解説します。
- 規制対象となりにくい代替技術を選ぶ
- 複数のアプローチを検討する
- 市場創造型のマーケティングも行う
3-1.規制対象となりにくい代替技術を選ぶ
Cookieの代替技術には、様々なものがあります。しかし、3rd Party Cookieのようにドメインを横断した追跡ができる代替技術は、今後規制対象となる可能性が高いといえるでしょう。
そのことを踏まえ、自社が収集した「1st Party データ」を中心に、規制対象になりにくい代替技術を選びましょう。
3-2.複数のアプローチを検討する
技術や法律の不確定要素が多いなか、Cookieの代替技術としてベストだと断言できる手法はありません。そのため、1つの代替技術に留まらず、複数のアプローチを検討するとよいでしょう。
ポイントは、広告配信と効果測定に分けて技術を選定することです。例えば、広告効果を測定する際には、1st Party Cookieを活用すればこれまで通りの計測環境を維持できます。広告配信に活用できるツールは数多くありますが、マーケターでも簡単に使えるコンバージョンAPIのツールを活用するのがおすすめです。
3-3.市場創造型のマーケティングも行う
Cookieの代替技術を検討する際には、マーケティングの本来の目的である「新たな市場を創造すること」を念頭に置いておくことも大切です。
既存の市場向けに機械学習を用いたターゲティングは有効ですが、過去のコンバージョンデータをもとにしたアプローチが主なため、効率良く成果を出す広告に予算が集中する可能性があります。しかし、機械学習に過度に依存していると、これまで自社と接点のなかった潜在顧客を見逃してしまい、意図せずして市場を限定的なものにしてしまうリスクがあります。
本来のマーケティング活動とは、新たな市場を創造していくことです。そのため、間接効果も把握・分析したうえで、広告配信の意思判断をするアプローチも必要です。
4.広告配信の精度を高めるなら「CAPiCO」
ここまで様々な代替技術をご紹介してきましたが、「結局どの技術を使えばよいのか分からない」とお悩みの方におすすめしたいのが、弊社が提供する「CAPiCO」と「アドエビス」です。
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これらを活用すれば、誰でも簡単にCookie規制に対応した広告配信・広告効果測定が可能になります。
1st Party データを活用して広告配信の精度を高めるなら、コンバージョンAPIツールのCAPiCOがおすすめです。
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