見込み顧客の接触経路を可視化!引上げに有効な施策を適切に評価する方法とは?

株式会社エアークローゼット様

株式会社エアークローゼット様

https://www.air-closet.com/

この記事では、施策ごとに無料会員登録から月額会員登録の引上げ率を可視化し見込み顧客の行動傾向を把握することで、引上げに有効な施策を適切に評価できたエアークローゼット様の事例をご紹介します。

Excelで同じようなレポートを作成する場合の方法もご紹介しているため、皆さまにも本事例を再現いただけると嬉しいです。

※元の事例記事から割愛している部分もございますので、元の事例をご覧になりたい場合は、こちらをご参照ください。
※ご案内するExcelの操作につきましては、ツール側の仕様変更などにより保証はできませんので、ご参考までとご認識ください。

1. こんな方にオススメ

  • 潜在層向け広告を実施されている方
  • 検討期間の長い商材を取り扱っている方
  • ナーチャリングに注力している方
  • マイクロコンバージョンの評価を取り入れたい方

2. 見込み顧客の接触経路を可視化した上での広告の評価方法

2-1. 新規獲得チームの目標

マーケティンググループの新規獲得チームではKPIとして新規の月額会員登録数を、サブKPIとして無料会員登録をおいています。

無料会員登録も重要視されているのですね

はい。エアークローゼットでは、無料会員からのナーチャリング経由の獲得が多いです。
まだまだ知らない方が多いサービスだと思うので、初めは「似合うお洋服は届くのか?」「汚れたらどうしよう」「クリーニングはいるのか?」など疑問や不安があり、ご利用までの検討期間が長くなる傾向にあると考えています。

無料会員の段階ではレンタルサービスはご利用いただけませんが、スタイルブックやサービス、ファッションに関するお得な情報をお送りすることで、ファッションレンタルへの疑問や不安を払拭し、月額会員登録数の向上を狙っています。

2-2. SNS広告の実施目的

集客は、メインがSNS広告(LINE、Instagram、X、TikTok)です。
その他にも検索広告とアフィリエイト広告の出稿、SEO記事やSNS公式アカウントの運用をしています。 ナーチャリングは、メルマガ、LINE@、DMを実施しています。

今回は、メインで実施されているSNS広告の評価方法についてお伺いさせてください。SNS広告はどのような狙いで実施されているのですか?

SNS広告はサービスの認知も兼ねた獲得を目的として実施しています。
例えば、SNS広告のバナークリック後のクッションLPとして開封動画やアンケートを挟み、サービス詳細を説明するLPへ誘導し、サービスの理解促進を狙っています。
月額会員登録をされず、無料会員登録に留まったとしても、その後の月額会員登録に繋がっていれば良しとしています。
そのため、SNS広告経由で無料会員登録CVした後どれほど月額会員登録CVされているのか、CVのデータを紐づけて可視化しています。

2-3. 無料会員登録CVと月額会員登録CVの経路を紐づけた分析方法

アドエビスで、無料会員登録CVと月額会員登録CVのタイミングで会員ID情報を取得し、これをキーとしてCVの接触経路を紐づけます。

クリエイティブ、媒体、セグメント、配信している年代、プレースメント、訴求等さまざまな集計軸で、直接CV、引上げCV、直接+引上げCV、各CPAを主に確認しています。
新しい概念のサービスなので直接CVだけでなく、引上げCVも見る必要があると考えています。

  • 直接CV…月額会員登録CV
  • 引上げCV…無料会員登録CV後、月額会員登録CVされた数
  • 直接+引上げCV…直接CV+引上げCV
    ※実際のレポート作成方法は後述の「レポート作成方法」をご参照ください

2-4. 直接CVと引上げCVを見ることで分かったこと

SNS広告の中でも、訴求ごとにパフォーマンスが異なることが分かりました。
例えば、「忙しくてもおしゃれを楽しもう!」という時短訴求において、ナーチャリングの引上げ率が他の訴求よりも高いことが分かりました。 直接CVのみを確認していた際は、時短訴求は日中に無料会員登録CVを獲得できているが、月額会員登録CVに繋がらない訴求として評価していました。しかし、引上げCVも確認できるようにしたことで、時短訴求経由で無料会員登録された方が、19~20時頃に月額会員登録CVされていることに気付きました。

仮説として、朝の通勤時間や昼の休憩時間にとりあえず無料会員登録し、仕事終わりの時間帯に送るメルマガで「昼に無料登録したサービスだ」と思い出してもらえているのだと考えています。
直接CVだけを見ていたら時短訴求は削減していたかもしれませんが、引上げCVが見えたことで出稿を取りやめるといった誤った判断をせずに済みました。

≪レポート作成方法≫

訴求内容やクリエイティブ名などの分析切り口は自由ですが、今回は媒体種別ごとの上記3指標を確認するレポート作成方法を紹介します。

作成難易度:中
作成目安時間:20分

※無料会員登録CVと月額会員登録CVのタイミングで発行される共通の値(会員ID)を、コンバージョン属性としてアドエビスに取得している前提です。
※本解説では、引上げCVの算出方法をご紹介しております。直接CVはアドエビス管理画面>詳細分析画面のデータをご入力ください。
また、各CPAは施策実施にかかった予算で割って算出してください。
※キャプチャはすべてダミーデータです。
属性情報の取得設定方法はこちら

(1)管理画面[広告>コンバージョン属性]から引上げCV数を集計するためのデータを出力する

※以下は「広告」タブでの作成方法をご紹介します。 
 「全トラフィック」でも作成可能ですが、一部UIや項目が異なります点ご了承ください。

  1. 「カレンダー」から該当期間を設定
  2. 「項目切替」から「CV名、CV時間、ユーザー名(会員IDを取得している項目)、直接効果、媒体種別、広告ID」を指定
  3. 「フィルタ」から適宜必要なデータに絞る
    (例)対象コンバージョンを「無料会員登録」「月額会員登録」のみ指定
  4. 「エクスポート」からデータ出力
(2) 管理画面[広告>詳細分析]からレポートのベースとなるデータを出力する
  1. 該当期間を選択
  2. 「項目切替」から広告IDを含む、レポートにしたい集計軸・表示項目を指定
    (例)媒体種別、広告グループ1、広告グループ2、広告ID、クリック数、CV(CV別)、広告コスト
  3. 「フィルタ」から適宜必要なデータに絞る
    (例)対象コンバージョンを「無料会員登録」「月額会員登録」のみ指定
  4. 「エクスポート」からデータ出力
(3) 引上げられたユーザーを整理する

1. (1)のコンバージョン属性画面をエクスポートしたシートにおいてピボットテーブルを組み、[行]に「ユーザー名」、[列]と[値]に「CV名」を入れ、表示されたデータをコピーし別シートに値のみ貼り付ける形でペーストする。

※[列]と[値]に「CV名」を入れる際はドラッグ&ドロップをする。

2. ピボットテーブルのデータをコピーし、別シートに[値のみ貼り付け]の形で貼り付けを行う。
コピーしてきたデータ上で、フィルタにて月額登録完了、無料登録完了がともに「1」以上のデータに絞る。
=引上げられたユーザーに絞られたデータとなる。

(4) 引上げられたユーザーが無料会員登録した際のラスト接触広告を整理する

1. (1)のコンバージョン属性画面をエクスポートしたシートにて、CV名の列が「無料会員登録」であるデータに絞り、全体をコピーし別シートに貼り付ける。

2. (3)-2.で作成した、「引き上げられたユーザーに絞られたデータ」から、ユーザー名の列をコピーし、(4)-1.で作成したシートとは別のシートに貼り付ける。
貼り付けたユーザー名の右の列に[媒体種別]と[広告ID]のカラムを作成する。

3. それぞれのカラムに、ユーザー名をキーにして(4)-1.で作成したシートから[媒体種別名]、[広告ID]をVLOOKUP関数で抽出する。

=VLOOKUP(ユーザー名のセル , (4)-1.で作成したシートのユーザー名から媒体種別・広告IDが含まれている範囲 , その範囲の中で[媒体種別]or[広告ID]情報がある列番号 , FALSE)

=引上げられたユーザーの無料会員登録時の直接効果がわかるデータとなる。

(5) 広告ごとの引上げ数を集計し、レポートを整形する

1. (4)で作成した、「引き上げられたユーザーの無料会員登録時の直接効果がわかるデータ」を使ってピポットテーブルを組む。

2. [行][値]にドラッグ&ドロップで「広告ID」を入れる。
=媒体種別ごとの引上げ数がわかるデータとなる。

3. (2)でエクスポートした詳細分析画面のデータを用意する。右側の空いているセルに[引上げCV][直接+引上げCV]のカラムを作成する。
※引上げCPAも算出したい場合は、[引上げCPA][直接+引上げCPA]のカラムも作成する。

4. (4)で作成した、「引き上げられたユーザーの無料会員登録時の直接効果がわかるデータ」の広告IDをキーにして、VLOOKUP関数を組み、詳細分析画面のデータ内に引上げCV数を入れる。
※引上げCPAは広告コストで割って算出する。

=VLOOKUP(広告IDのセル , 引き上げられたユーザーの無料会員登録時の直接効果がわかるデータの範囲 , その範囲の中で[個数]情報がある列番号 , FALSE)

5. [直接+引上げCV]は[直接CV]と[引上げCV]の値を足して算出する。
媒体種別ごとの3指標を確認するレポートの完成!

3. おわりに

今回ご紹介したのは、レポートにより媒体ごとのユーザーの消費行動に特徴があることが判明し、クリエイティブや訴求の改善に活かせたという事例でした。自社のデータでも見てみたいと思われた方は、ぜひ一度レポートを作成してみてくださいね!

株式会社エアークローゼット

https://www.air-closet.com/

マーケティンググループ Customer Developmentチームリーダー・
Customer Relationship Managementチームリーダー 石橋 瞭 様

福岡大学卒業、新卒で広告代理店に就職後、2018年に株式会社エアークローゼットに入社。代理店での経験を活かし新規獲得の土台を構築し、月額制ファッションレンタルサービスairClosetの300%成長を実現。2022年7月東証グロース市場に上場。現在は、新規獲得とともに、LTV最大化までを担う。

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